テンポイノベーションは戻り試す、21年3月期予想は新型コロナ影響で未定だが中期収益拡大期待

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 テンポイノベーション<3484>(東1)は、飲食業を中心とする出店希望者向けに居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。21年3月期予想は新型コロナウイルスの影響を考慮して未定としている。飲食業が厳しい状況のため当面は影響が懸念されるが、緊急事態宣言解除後の6月には内見実施数が急増しているようだ。期後半の挽回を期待したい。また中期的に収益拡大を期待したい。株価は第1四半期業績の発表を機に急反発の動きとなった。アク抜け感につながり、株主優待制度変更も好感された可能性がありそうだ。戻りを試す展開を期待したい。

■飲食業の出店希望者向け居抜き店舗転貸借事業

 首都圏の一都三県(特に東京都)において、飲食業の小規模事業者を中心とする出店希望者向けに、居抜き店舗を転貸借する店舗転貸借事業を展開している。

 店舗転貸借事業は、仲介ではなく、サブリースでもなく、不動産業における第6のカテゴリーと位置付けている。不動産オーナーにとっては賃貸料収入の安定、不動産会社にとっては仲介収益機会の獲得、店舗出店者にとっては出店費用の削減、店舗撤退者にとっては閉店コストの削減というメリットがある。また飲食業は他の産業との比較で、開業・廃業による入れ替わりが激しいため、市場機会が豊富という特徴もある。

 保有物件数(転貸借物件数)の増加に伴って賃料収益(ランニング収入)を積み上げるストック型ビジネスモデルである。20年3月期末時点の転貸借物件数は19年3月期末比225件増加の1684件となった。また20年3月期第2四半期から報告セグメントに不動産売買事業を追加した。不動産業者との関係強化を目的として、一定の保有枠の中で資金効率を重視して売買を行う。

 なおクロップス<9428>の連結子会社だが、営業上の取引はなく経営上の独立性を確保している。またCSR活動の一環として、飲食店舗を活用した子ども食堂を開催している。

■21年3月期予想は新型コロナ影響で未定だが中期収益拡大期待

 21年3月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.6%増の24億04百万円だが、営業利益が46.3%減の1億円、経常利益が44.0%減の1億09百万円、純利益が46.5%減の72百万円だった。

 転貸借物件数の積み上げで増収だが、新型コロナウイルスの影響による成約件数減少でイニシャル収入が大幅減少し、売上総利益が減少した。さらにコロナ関連の特別手当やオフィス増床家賃など、販管費が増加して大幅営業減益だった。

 店舗転貸借事業は7.5%増収で40.9%減益だった。成約件数(新規および後継付けの合計)は前年同期比57.4%減の43件、期末転貸借物件数は163件増加の1689件となった。不動産売買事業は市場不活発化の状況を鑑みて物件取得・売却を行わなかったため、80.4%減収で96.9%減益だった。期末保有物件は3件となった。

 通期予想は引き続き未定としている。飲食業が厳しい状況のため当面は影響が懸念されるが、緊急事態宣言解除後の6月には新規会員登録数や内見実施数が急増しているようだ。また第1四半期の成約件数を月別に見ると4月3件、5月7件、6月33件であり、6月以降は回復基調となっている。期後半の挽回を期待したい。また中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末対象でジェフグルメカード3000円分

 株主優待制度については8月3日に変更を発表し、1年以上継続保有株主を対象とした。変更後は毎年3月末時点で1年以上継続して300株以上保有する株主に対して、お食事券ジェフグルメカード5000円分を贈呈(詳細は会社HP参照)する。21年3月末対象から運用開始する。

■株価は戻り試す

 株価(19年12月11日付で株式2分割)は第1四半期業績の発表を機に急反発の動きとなった。アク抜け感につながり、株主優待制度変更も好感された可能性がありそうだ。戻りを試す展開を期待したい。8月27日の終値は736円、前期実績PBR(前期実績のBPS142円84銭で算出)は約5.2倍、時価総額は約131億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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