イトーキは20年12月期2Q累計大幅増益、通期は新型コロナ影響で営業・経常減益予想

(決算速報)
 イトーキ<7972>(東1)は8月31日の取引時間終了後に20年12月期第2四半期累計の連結業績を発表した。第1四半期の好調で第2四半期累計ベースでは大幅増益だったが、第2四半期から新型コロナウイルスの影響で急減速したため、通期は営業・経常減益予想とした。株価は目先的には通期予想を嫌気する可能性もあるが、業績悪化懸念を織り込み済みで下値限定的だろう。

■20年12月期2Q累計大幅増益だが、通期営業・経常減益予想

 8月31日発表した20年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比1.6%増の647億04百万円、営業利益が36.5%増の26億31百万円、経常利益が29.5%増の25億06百万円、純利益が24.6%増の12億03百万円だった。

 第1四半期の好調で第2四半期累計ベースでは大幅増益だった。ただし第2四半期に新型コロナウイルスによる経済収縮の影響を受けて急減速した。四半期別に見ると第1四半期の売上高377億07百万円、営業利益30億01百万円に対して、第2四半期は売上高269億97百万円、営業利益3億70百万円の赤字となった。

 通期の予想(5月25日に未定に修正していたが8月31日に開示)は、売上高が19年12月期比4.2%減の1170億円、営業利益が55.7%減の4億円、経常利益が73.6%減の2億50百万円、純利益が1億円の黒字(19年12月期は5億50百万円の赤字)とした。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で、第3四半期以降も厳しい状況で推移することを想定した。21年12月期の回復を期待したい。

■株価は業績悪化懸念を織り込み済み

 株価は徐々に下値を切り上げている。目先的には通期業績予想を嫌気する可能性もあるが、業績悪化懸念を織り込み済みだろう。低PBRも考慮すれば下値は限定的だろう。8月31日の終値は365円、時価総額は約167億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る