【株式評論家の視点】JPホールディングスは今期も2ケタ増益、子育て支援のリーディングカンパニー評価し株価戻りに転じる

株式評論家の視点

JPホールディングス<2749>(東1)は、3円高の340円と小幅続伸、去る、15日の328円をボトムに戻りに転じている。

同社は、子育て支援事業、給食の請負事業、英語・体操・リトミック教室・研修請負事業、物品販売事業、研究・研修・コンサルティング事業を運営している。現在、グループ全体で1万5000人ほどの子供を預かり、グループ従業員数は2000人を超えている。

同社グループは、昨年5月に中期経営計画(2015年3月期~17年3月期)を策定し、総合子育て支援企業のリーディングカンパニーとして、保育の量拡大に寄与すべく、事業を推進してきたが、その中期経営計画の初年度である15年3月期において、当初の計画通り保育所17園の開園及び学童クラブ4施設を受託。今後も保育所不足解消のための保育所増設と、自治体の財政難を背景とした既存公立保育所の民営化の流れは続くと見込んでいることから、新経営体制への移行を機に、更なる成長を目指すため、中期経営計画の見直しを行った。

前2015年3月期業績実績は、売上高が178億6800万円(前の期比13.5%増)、営業利益が14億3100万円(同11.1%増)、経常利益が16億3600万円(同8.0%増)、純利益が10億0300万円(同15.0%増)に着地。年間配当は4円(同0.4円増)を予定。

今16年3月期業績予想は、売上高が204億1100万円(前期比14.2%増)、営業利益が17億4000万円(同21.5%増)、経常利益が17億4000万円(同6.3%増)、純利益が12億7000万円(同26.5%増)と連続最高益更新見通し。
年間配当は5円(同1円増)を予定している。

新中期経営計画では、中核事業である子育て支援事業に経営資源を集中し、総合子育て支援企業のリーディングカンパニーとして待機児童問題の解消に寄与するため、良質な子育て支援サービス提供の拡充を加速し、同事業の社会的貢献度向上を目指すとともに、子育て支援事業に次ぐ第2の柱となる事業の育成を図る方針。保育サービスの量的・質的向上、人材獲得に向けた採用活動の強化、第二の収益源の創設、経営管理の高度化、コンプライアンスの徹底及びコーポレートガバナンスの強化を図り、新中計の最終年度18年3月期売上高246億円、経常利益21億円を目指す。

株価は、2月12日につけた年初来の高値400円から5月15日に年初来の安値328円と調整。その後、下値を固める動きとなっている。13年4月に安倍晋三内閣総理大臣が発表した「待機児童解消加速化プラン」及び15年4月に施行された「子ども・子育て支援新制度」をはじめとして、子育て支援に関しての制度的な枠組みが整備・拡充される中、今後も保育所不足解消のための保育所増設と、自治体の財政難を背景とした既存公立保育所の民営化の流れは続くと見込まれることから、新中計の目標達成は可能と見られる。ここから押し目は中長期的な視点で注目されよう。(株式評論家・信濃川)

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