【株式評論家の視点】ズームはMogar社の連結子会社化が売上に貢献、二番底形成から上昇へ

株式評論家の視点

 ズーム<6694>(JQS)は、音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業としており、「WE’RE FOR CREATORS」という基本理念のもと、世界中のクリエーターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を向上し、株主、従業員や取引先などの同社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指している。

 同社は、ポータブルなハンディレコーダーをはじめ、エフェクト プロセッサー、マルチトラックレコーダー、オーディオ・インターフェース、リズムマシン、サンプラーなど、レコーディング機器から電子楽器まで幅広い製品を開発している。30年以上に渡り、最新のDSPテクノロジーをベースにした革新的な製品をリーズナブルなプライスで提供している。「音」と「音楽」に特化した事業を展開、国内では島村楽器、石橋楽器、池部楽器、アマゾン、モリダイラ楽器、山野楽器、ESP、他国内主要楽器店500店舗で、海外では50以上の販売代理店網により世界130か国と幅広い国・地域で「ZOOM」ブランドが浸透している。


 今19年12月期第2四半期業績実績は、売上高40億0100万円(前年同期比31.1%増)、営業利益5300万円 (同4.1倍)、経常利益2200万円(同59.3%減)、純利益1500万円(同64.4%減)に着地。Mogar社の連結子会社化が売上高に貢献。原材料の値上りを製品の出荷価格に転嫁したほか、Mogar社のリストラクチャリングが奏功し、営業増益となったが、Mogar社の支払い利息の増加と為替差損の増加、和解金の計上が響き経常利益・純利益は減益となった。

 今19年12月期業績予想は、売上高85億4000万円(前期比10.8%増)、営業利益6億1600万円(同2.4倍)、経常利益6億7300万円(同94.4%増)、純利益4億7300万円(同48.5%増)を見込む。Mogar社が通年寄与するほか、有形固定資産の減価償却方法を定率法から定 額法に変更することから、営業利益は4期ぶりに最高益を更新する見通し。年間配当予想は、将来の事業拡大に必要な内部留保を行いつつ配当性向30%を目安として安定的な配当を行うことを基本方針で、期末一括63円(同20円増)の連続増配を予定している。

 株価は、2月18日につけた年初来高値2180円から6月4日安値1313円まで調整。8月29日安値1345円と売り直されて下値確認から9月20日高値1635円と上昇している。同社の売上及び利益は年末商戦に合わせて下期に増加する傾向があり、営業最高益更新見通しは据え置いている。今期予想PER7倍台・PBR0.80倍と割安感があるほか、配当利回り3.8%と利回り妙味もソコソコある。加えて、来20 年12月期2ケタ増益が観測されており、26週移動平均線を突破し、リバウンド相場入りとなっている。期待先行ながら、上値抵抗線の7月16日高値1748円奪回から一段と騰勢を強めるか注目したい。(株式 評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る