【編集長の視点】アプライドは続落も業績上方修正・2期ぶり最高純益を見直し下げ過ぎ訂正買い交錯

 アプライド<3020>(JQS)は、前日2日に60円安の3600円と続落して引けた。同社株は、直近安値から400円超の底上げをしており、目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ取引時間中の安値からは75円切り返しており、今年11月13日に発表した今2021年3月期業績の上方修正と増配、純利益の2期ぶりの過去最高更新を見直して下げ過ぎ修正の割安株買いが下値に交錯した。ヒストリカル的にも、今年6月には新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うテレワーク関連株として再三再四のストップ高を交えて年初来安値から6.3倍化の大化けを演じており、急騰癖の再現期待も底流している。

■テレワーク、オンライン商談向けにパソコン需要が拡大

 同社の今2021年3月期業績は、期初予想より売り上げを19億円、営業利益と経常利益を各2億円、純利益を1億円引き上げ、売り上げ325億円(前期比0.9%増)、営業利益20億円(同0.9%増)、経常利益20億円(同0.1%増)、純利益13億円(同15.0%増)と見込み、期初の減収減益予想が増収増益転換し、純利益は、2019年3月期の過去最高(11億3600万円)を2期ぶりに更新する。BtoC販売では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により在宅ワークやオンライン授業向けの利用目的のパソコン導入が進み、導入の際の技術サービスの提供も伸長し、BtoB販売でもオンライン商談の浸透とともにパソコン需要が拡大したことが寄与した。純利益は、前期計上の固定資産の減損損失が一巡して増益転換率を拡大して2期ぶりに過去最高を更新する。

 配当は、期初に年間40円(前期実績70円)と減配を見込んでいたが、業績上方修正とともに中間配当を期初予想の15円から20円に引き上げ、年間45円に増配する。

■3カ月で6.3倍化の急騰実績の再現期待でPER7倍の割安修正

 株価は、前期第3四半期の好調決算でつけた2198円高値からコロナ・ショック安の波及で年初来安値1081円へ突っ込んだ。同安値からは、テレワーク関連株人気で再三再四のストップ高を交えて6月までの3カ月で年初来高値6820円へ6.3倍化、高値で実施した新株予約権発行も響いて3365円安値へ調整し、今期第1四半期の好決算で6000円まで買い戻されるなどボラティリティの高い動きを続け、今期業績の上方修正・増配では材料出尽くし感から窓を開けて3315円まで急落した。PERはわずか7倍台と売られ過ぎを示唆しており、足元では感染の第3波を前に西村康稔経済財政・再生大臣が産業界にテレワークの再推進を要請したことも加わり、まず窓明け急落前の11月高値4540円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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