【中期経営計画と株価】BMLは売上1000億円達成で第6次中期経営計画では利益の伸びに期待、中期仕込み場

中期経営計画と株価

ビー・エム・エル<4694>(東1・売買単位100株)は2015年3月期で、「第5次中期経営計画」を終え目標とした売上1000億円を達成したのに続いて、新たに、2018年3月期を最終年度とする、「第6次中期経営計画」をスタートさせている。

第5次中期経営計画(2013年3月期~2015年3月期)では、「クオリティ・リーディング・カンパニー」のビジョンもと、「全社品質向上の実現」、「KAIZEN活動」、「人材の育成」などに取り組み2015年3月期の目標を売上1020億円、営業利益81億円(営業利益率7.9%)と掲げていた。

2015年3月期の実績は、売上1044億400万円と目標を達成し1000億円企業の仲間入りを実現した。ただ、利益については消費増税に伴う患者の受診控え、価格競争の激化などにより2015年3月期営業利益は69億7400万円と計画に届かなかった。

第6次中期経営計画(2016年3月期~2018年3月期)では、『業界トップ企業としての基盤構築と強化』をコンセプトに掲げている。事業別戦略では、「臨床検査事業」においては、地域ラボでの検査項目の拡大、地域ごとの状況に合った地域戦略の推進、首都圏ラボの強化、コールセンター機能の充実、得意分野である効率化・自動化の推進などに取り組む。

「医療情報システム事業」においては、代理店による間接販売も含め新規開業情報入手に注力するほか顧客満足度の向上に努める。ニーズの高まっている「食品衛生事業」においても検査の効率化と共に腸内細菌検査の自動化を進める。

2018年3月期には、主力の臨床検査事業において売上1042億2000万円と1000億円台を計画、全売上では1057億1000万円を計画している。営業利益は88億5000万円、とくに、営業利益率は8.0%と2015年3月期の6.7%から大きく向上する。

なお、足元の2016年3月期は、売上2.0%増の1965億円、営業利益1.8%増の71億円、1株利益202.4円、配当は全3月期に10円増配の年60円としたが今期は年60円を継続の予定。

株価は前中期計画がスタートの2013年3月末の2519円から計画終了の2015年3月末で3410円と約35%上昇した。この間、アベノミクス効果による株式市場活況の波及も含まれていると思われるが、臨床検査業界大手として一つの目安とみられる売上1000億円達成となった点が評価されているといえるだろう。

これからの第6次中期経営計画では売上以上に営業利益率向上にみられるように利益面に多いに期待できるだろう。

とくに、ここでは記されていないが、恐らく、2018年3月期にはROEの10%台乗せが期待できるだろう。また、1株利益も220~230円が見込めるのではなあろうか。

年初来高値は5月21日の3900円、同安値は3020円(1月16日)。28日の終値3730円は配当利回り1.60%、PER18.4倍。これまで、資産株としての色合いが強かったように思われるが、これからは利益成長に伴い値上がりの期待できる銘柄としての人気が加わりそうだ。下値不安乏しく中期で仕込み場といえるだろう。

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