【アナリスト水田雅展の銘柄診断】キーウェアソリューションズは下値固め完了感、収益改善期待で出直り

銘柄分析

 システム受託開発やシステムインテグレーションのキーウェアソリューションズ<3799>(東2)の株価は、10月17日に年初来安値となる460円まで調整したが、その後は概ね490円~530円近辺で推移している。第2四半期累計(4月~9月)の営業赤字に対するネガティブ反応は限定的で、下値固め完了感を強めている。収益改善期待で出直り展開だろう。

 システム受託開発事業(公共システム開発、ネットワークシステム開発)、経営とITの総合コンサルティング事業(システムインテグレーション、ITサービス、サポートサービス)、その他事業(機器販売など)を展開している。

 主要顧客は、筆頭株主であるNEC<6701>グループ向けが約4割を占め、NTT<9432>グループ、JR東日本<9020>グループ、三菱商事<8058>グループ、日本ヒューレット・パッカードなどが続いている。NECと連携して医療分野や流通・サービス業分野へ事業領域を広げ、ERP(統合業務パッケージ)関連やセキュリティ関連も強化している。

 中期経営計画「3Frontiers!」では、目標数値として15年3月期売上高180億円、経常利益5億円を掲げ、事業領域拡大や成長分野開拓を推進している。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは、前回予想(5月14日公表)を据え置いて売上高が前期比4.7%増の180億円、営業利益は非開示、経常利益が同36.2%増の5億円、純利益が同70.8%増の4億10百万円、配当予想が前期と同額の年間10円(期末一括)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は前年同期の特需一巡、不採算プロジェクト対応に伴う受注機会損失、一部開発案件の延期・凍結などの影響で前年同期比9.0%減収となり、営業利益、経常利益、純利益とも赤字に転落した。しかし通期ベースでは、新規案件の受注拡大、売上総利益率の改善、販管費の削減などの効果で挽回が期待される。

 中期的には、15年から本格化するマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)導入関連のシステム投資、国・地方を通じた行政情報システムの改革、さらに20年東京夏季五輪に向けたインフラ投資などで受注拡大が予想され、収益は改善基調だろう。

 株価の動きを見ると、10月17日に年初来安値となる460円まで調整したが、その後は概ね490円~530円近辺で推移している。10月31日発表の第2四半期累計の営業赤字に対するネガティブ反応も限定的で、下値固め完了感を強めている。

 12月8日の終値499円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円43銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は2.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS705円93銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形で調整局面だが、下値固めが完了して出直り局面だろう。

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