ランサーズは下値固め完了、22年3月期収益拡大期待

株式市場 銘柄

 ランサーズ<4484>(東マ)はフリーランス向けマッチングサービスを展開している。21年3月期黒字化予想としている。さらにDXやフリーランス化の流れも追い風として、22年3月期の収益拡大を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■フリーランス向けマッチングサービス

 プラットフォーム事業(受発注プラットフォーム)として、日本最大級のクラウドソーシング仕事依頼サイト「Lancers」を運営し、個人と企業をマッチングするフリーランス向けマッチングサービスを展開している。

 クラウドソーシング(CS)は不特定多数に仕事を募集し、オンラインスタッフィングプラットフォーム(OS)は特定のランサーに仕事を依頼する。案件内容や単価などが異なり、流通総額の約9割がOSである。また第4四半期の構成比が高い季節要因があるとしている。

 なお事業区分は、オンラインで企業が直接利用するマーケットプレイス事業、案件を受託管理するマネージドサービス事業、IT人材を支援するテックエージェント事業としている。

 20年10月にはオンラインメンターサービス「MENTA」を運営するイリテクを子会社化した。

■21年3月期黒字化予想、22年3月期収益拡大期待

 21年3月期の連結業績予想(2月10日に修正)は、流通総額が20年3月期比14.6%増の93億円で、売上高が11.7%増の38億80百万円、営業利益が10百万円の黒字(20年3月期は3億07百万円の赤字)、経常利益が20百万円の黒字(同3億28百万円の赤字)、純利益が10百万円の黒字(同3億53百万円の赤字)としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比14.1%増の27億87百万円、営業利益が14百万円の赤字(前年同期は1億70百万円の赤字)だった。一部で新型コロナウイルによる経済収縮の影響を受けたが、DXニーズでマーケットプレイス事業が牽引し、増収効果や販管費抑制で赤字縮小した。なお流通総額は13.3%増だった。

 通期は、新規登録ランサー数およびクライアント数が増加基調であり、広告投資などを吸収して黒字化予想としている。さらにDXやフリーランス化の流れも追い風として、22年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は安値圏でモミ合う形だが、下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。4月12日の終値は701円、時価総額は約110億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る