JFEシステムズは21年3月期減収減益、22年3月期は増収増益予想

(決算速報)
 JFEシステムズ<4832>(東2)は4月26日の取引時間終了後に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナウイルスに伴う顧客のIT投資抑制の影響で減収減益だったが、利益率改善などで従来予想(1月27日に利益を上方修正)を上回って着地した。22年3月期は増収増益予想としている。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。22年3月期増収増益予想を好感して出直りを期待したい。

■JFEシステムズは21年3月期減収減益、22年3月期は増収増益予想3月期減収減益だが計画超で着地、22年3月期増収増益予想

 21年3月期連結業績は、売上高が20年3月期比3.1%減の464億68百万円、営業利益が2.9%減の46億66百万円、経常利益が2.2%減の46億98百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.0%減の30億86百万円だった。配当は20年3月期と同額の120円(期末一括)とした。

 新型コロナウイルスに伴う顧客のIT投資抑制の影響で減収減益だった。ただし利益率改善や経費削減などで、従来予想(1月27日に利益を上方修正)を上回って着地した。売上面は基盤サービスが10億円増加の65億円と伸長したが、主力の鉄鋼部門が16億円減少の194億円、一般顧客が8億円減少の151億円、子会社が1億円減少の55億円だった。

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比3.3%増の480億円、営業利益が2.0%増の47億60百万円、経常利益が2.2%増の48億円、親会社株主帰属当期純利益が0.5%増の31億円としている。配当予想は60円(期末一括)とした。21年4月1日付株式2分割換算後で21年3月期と同額となる。

 鉄鋼および一般顧客の売上が回復して増収増益予想としている。売上高の計画は鉄鋼が16億円増加の210億円、一般顧客が8億円増加の159億円、基盤サービスが横ばいの65億円、子会社が会計基準変更の影響で9億円減少の46億円である。

 なお新型コロナウイルス感染再拡大による不透明感を踏まえて、次期中期経営計画の策定を1年先延ばし(23年3月期~25年3月期の計画)とした。22年3月期は次期中期経営計画に向けた準備期間と位置付けて、過去最高だった20年3月期水準への回復を目指すとしている。

■株価は出直り期待

 株価(21年4月1日付で株式2分割)は戻り高値圏から一旦反落したが、調整一巡して反発の動きを強めている。22年3月期増収増益予想を好感して出直りを期待したい。4月26日の終値は1778円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS197円39銭で算出)は約9倍、時価総額は約279億円である。

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