【編集長の視点】データセクションは続落も新規事業開始で今期予想業績のレンジ上限期待を高め再評価余地

編集長の視点

データセクション<3905>(東マ)は、38円安の767円と続落して始まっている。今年4月3日につけた上場来安値688円から995円まで約45%の底上げをし、目先の利益を確定する売り物が続いている。

ただこの株価の急速な底上げをサポートした同社が今年6月8日に発表したビッグデータを活用して共同開発した株価予測システムの新規事業の高評価は、依然として続いており、新規事業の動向次第としてレンジで予想していた今3月期業績も、予想レンジの上限達成の可能性が高まるだけに、下値は突っ込み買い妙味があるとして要注目となりそうだ。

■ビッグデータ分析で各銘柄の近未来を予測し最適の投資タイミングを迅速に探知

株価予測システムは、ビッグデータの解析技術・知見に国内最先端・最大規模実績を持つデータセクションと、投資運用に実績のあるファイブスター投信投資顧問(東京都中央区)が、Twitterなどのソーシャルデータや為替レート、各種マクロ指標、日経平均株価などの広範なビッグデータの分析により近未来を予測し、ここにファイブスターの運用ノウハウを統合することで各銘柄の株価変動の相関性、因果性を統計的に解析し、各銘柄の「最適な投資タイミング」を「迅速」に探知することを可能とする。このシステムに基づき、ファイブスターは、日本株公募ファンド「FS・DSビッグデータ活用型ロングショートファンド(仮称ビッグデータファンド)」を今年7月22日から募集を開始し、8月20日から運用を開始する。

データセクションは、新規事業を同社の成長戦略の中核と位置付けており、今年1月27日に発表した口コミ検知ツール「Insight Checker for Foods&Restaurants」が、食品業界で異物混入や自主回収が頻発、ソーシャルメディア(SNS)上のつぶやきとして拡散することが先行してツイッターが炎上するケースが増え大きな社会問題化しており、このSNS上のつぶやきを分析して食品メーカーや外食チェーンの担当者にアラームを発信することを可能にすることから、株価もストップ高の急伸をした。

ただ、新規事業への展開は、人材投資・研究開発投資負担が業績変動要因となる。今3月期は、人材投資について新卒・中途採用をあわせて34%の増員を予定しており、このため業績自体も、新規事業の動向に合わせてレンジで予想している。売り上げを4億円~9億円(前期比6.3%増~2.39倍)、経常利益を3000万円~4億1400万円(同65.1%減~4.87倍)、純利益を1500万円~2億4500万円(同76.3%減~3.88倍)と見込んでいるもので、相次ぐ新規事業の展開から予想レンジ上限への業績推移の可能性が高まってくる。

■年初来の上値抵抗線25日線から大きく上放れ一段の戻りにトライ

株価は、昨年12月24日に公開価格520円でIPOされて900円で初値をつけ再三のストップ高を交えて上場来高値1730円まで買い進まれ、この調整安値958円からは口コミ検知ツールに反応してストップ高し1269円の戻り高値をつけるなどの急騰を繰り返してきた。今回も、上場来安値688円から株価予測システムの新規事業開始でストップ高して底上げを鮮明化した。年初来、上値抵抗線となってきた25日移動平均線から大きく上放れたここからは一段の戻りにトライすることになろう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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