【アナリスト水田雅展の銘柄分析】山田コンサルティンググループは06年8月以来の高値水準、16年3月期利益増額含みで自己株式取得も評価

銘柄分析

 山田コンサルティンググループ<4792>(JQS)は経営・財務・M&A関連のコンサルティング事業などを展開している。株価は上値追いの展開で11日は4250円まで上伸した。06年8月以来の高値水準だ。16年3月期利益は増額含みであり、指標面に割高感はない。自己株式取得や中期成長力も評価して、過熱感を冷ますための適度な自律調整を交えながら上値追いの展開だろう。

 各種コンサルティング事業を展開するグループの純粋持株会社である。傘下の事業会社では、山田ビジネスコンサルティングが経営・財務・事業承継・M&A支援などの経営コンサルティング事業、山田FASがM&A・企業再編の財務アドバイザイリー業務や中堅・中小企業対応M&A関連業務などの資本・株式・株主に関するコンサルティング事業、山田不動産コンサルティングが不動産有効活用などの不動産コンサルティング事業、東京ファイナンシャルプランナーズがFP資格取得講座などのFP関連事業、キャピタルソリューションおよび投資事業有限責任組合が投資・ファンド事業(事業承継・再生関連のファンド)を展開している。

 中期経営目標としてROE20%以上を掲げ、重点戦略としては大手金融機関・証券会社・地方金融機関・提携会計事務所との連携強化、中堅・中小企業対応M&A関連分野の拡大、中国現地法人およびシンガポール支店を拠点とした中国・アジア展開の強化などを推進している。投資・ファンド事業では、事業承継問題を抱えている優良な中堅・中小企業をターゲットとして、投資リスクを最小限に抑えながら投資案件を発掘している。

 またコンサルティングニーズが「事業再生」だけでなく「事業成長」も顕在化しているため、こうしたニーズに対応すべく、主力の経営コンサルティング事業では「事業再生コンサル」「事業成長コンサル」「事業承継・M&Aコンサル」を3本柱とするビジネスモデルへの変換を進めている。そして事業再生や事業承継を切り口としてM&Aコンサルを拡大している。

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)20億86百万円、第2四半期(7月~9月)20億59百万円、第3四半期(10月~12月)18億25百万円、第4四半期(1月~3月)25億11百万円、営業利益は第1四半期5億33百万円、第2四半期4億28百万円、第3四半期2億48百万円、第4四半期8億円だった。好採算案件や大型案件の有無で四半期別利益は変動しやすい収益構造だ。

 なお15年3月期のM&A関連案件は、経営コンサルタント事業で件数28件(14年3月期は17件)および売上高10億22百万円(同5億円)、そして資本・株式・株主に関するコンサルティング事業で件数15件(同8件)および売上高5億53百万円(同1億67百万円)だった。件数が増加基調であり、大型案件も寄与した。

 また15年3月期の配当性向は34.8%だった。ROEは14年3月期比6.4ポイント低下して17.8%、自己資本比率は同5.2ポイント低下して81.9%となった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期比6.1%増の90億円、営業利益が同4.9%増の21億10百万円、経常利益が同2.1%減の21億60百万円、純利益が同1.2%増の14億円としている。なお投資・ファンド事業での投資株式の売却損益を見込んでいない。配当予想は同10円増配の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)で、予想配当性向は37.5%となる。

 経営コンサルタント事業および資本・株式・株主に関するコンサルティング事業で、事業承継・M&A関連が好調に推移する。不動産コンサルティング事業とFP関連事業も順調な推移が期待される。好採算案件や大型案件の有無によって収益が変動しやすい収益構造だが、会社予想は保守的な印象が強く利益増額含みだろう。中期的にも収益拡大基調が期待される。

 なお4月28日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限6万株、取得価額総額の上限2億円、取得期間15年5月1日~16年3月18日)については、5月31日時点で取得株式総数0株となっている。

 株価の動きを見ると、上値追いの展開で6月11日は4250円まで上伸した。06年8月以来の高値水準だ。中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。

 6月11日の終値4230円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS292円59銭で算出)は14~15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は2.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1695円57銭で算出)は2.5倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が10%程度に拡大して目先的には過熱感もあるが、週足チャートで見ると13週移動平均線、月足チャートで見ると9ヶ月移動平均線がサポートラインとなって長期上昇トレンドの形だ。16年3月期利益は増額含みであり、指標面に割高感はない。自己株式取得や中期成長力も評価して、過熱感を冷ますための適度な自律調整を交えながら上値追いの展開だろう。

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