【編集長の視点】メドピアは反落も新規業務提携などを見直し下値には下げ過ぎ訂正買いが続く

編集長の視点

メドピア<6095>(東マ)は、29円安の1546円と反落して始まっている。前日11日にメディカルトリビューン(東京都千代田区)との業務提携をハヤして急伸した反動で目先の利益を確定する売り物が先行している。

ただ、今年5月15日に発表した今9月期第2四半期(2Q)累計業績の減益転換は、この業務提携などによる新規取組積極化に伴う先行投資による前向きとのコンセンサスが形成されており、下値にはなお下げ過ぎ訂正期待の買い物は続いている。今年3月に発表した「レジデントレポート(研修病院評価)」の展開や、今年5月に同社の主要コンテンツ薬剤評価掲示板」で薬剤評価の口コミ数が、累計で40万件を突破したことなども、9月通期業績への期待を高めている。

■薬剤評価掲示板は累計40万件を突破し新業務提携で医師会員数は10万人超

同社は、国内で唯一、「医師目線」に基づくソーシャルメディアサイト「MedPeer」を運営、医療現場の医師同士のコミュニケーションを図ると同時に、「薬価評価掲示板」による製薬会社の薬剤マーケティングの支援や、「Meet the Experts」での症例相談などによる治療支援、さらに医師求人情報サービスなどを展開している。会員医師数は、月間1000人ペースで順調に増加し、今期2Q現在で7万7402人に達し、医師の約3.5人に1人が同社の会員となっている。「薬価評価掲示板」の薬剤評価(口コミ)も、前期比倍増の月間7500件のペースで増加して今年5月に累計で40万件を突破、約2400薬剤の1薬剤当たりの平均口コミは、160件超となっている。

今年3月にはメーリストリングサービス「らくらく連絡網」を運営するイオレ(東京都港区)と提携し、同サービスと同社の「MedPeer」を連携させ、医学生を対象に先輩医師の実体験と口コミを集めて「レジデンスリポート」の利用を可能とした。またメディカルトリビューンとの業務提携は、同社の医師向け専門ジ情報サイト「MT Pro」とメドピアの「MedPeer」との会員連携することによって、メディカルトリビューンの提供する最新の医療情報を取得することを可能とさせる一方、医師会員数も10万人を超える。業績は、この新規事業取組による人員増加や会員数増加に合わせた投資前倒し拡大が先行計上され、今期2Q累計業績は、売り上げが前年同期比28.7%増と続伸したものの、経常利益は同18.4%減、純利益は29.7%減と減益転換した。

ただ9月通期業績は、新規事業の寄与などから期初予想に変更はなく、売り上げ14億5000万円(前期比51.3%増)、経常利益3億円(同22.4%増)、純利益1億6700万円(同11.4%増)と見込み、純利益は連続して過去最高を更新する。

■目先の日柄・値幅調整は十分で25日線からの11%超の下方かい離を修正へ

株価は、昨年6月に公開価格4000円で新規株式公開(IPO)され、9250円で初値をつけ、昨年9月末割り当てで実施した株式分割(1対5)の権利取りで上場来1万4100円まで買い進まれた。権利落ち後は、落ち後安値1300円まで調整し、イオレとの業務提携をテコに落ち後高値2378円まで1000円高し、25日移動平均線水準の中段固めから2Q累計業績の減益転換を嫌い、1500円台まで再調整した。日柄調整は1カ月を経過、値幅調整も目先の一巡感を強めており、25日線からの11%超のマイナスかい離は下げ過ぎとして内需関連株人気を再燃させ底上げ展開が見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る