住友商事と東京ガスはメガワット級水電解装置を利用した水素実証実験実施で合意

 住友商事<8053>(東1)と東京ガス<9531>(東1)は、ITM Power plc(本社:英国シェフィールド:ITM Power)が開発したメガワット級固体高分子型水電解装置を使用し、水素利活用に向けた共同実証実験を東京ガス横浜テクノステーション内にて実施することで合意した。

 日本政府は2050年までのカーボンニュートラル化を目標と掲げ、年間42万トンを超えるクリーン水素の供給を目指している。再エネ由来の電力を用いた水電解装置により製造される水素は、製造過程においてCO2を排出しないグリーン水素として、脱炭素社会の切り札とされている。グリーン水素の製造コストの低減や高効率化をめざし、水電解装置の大型化に世界中の注目が集まっている。

 同実証は、海外製の大型水電解装置による日本で初めての運転検証となる。住友商事は、水素吐出圧力を本製品標準スペックの2MPaから、日本の国内法規に準拠した1MPa未満に調整した2.0MW級の水電解装置を、2022年6月に東京ガス横浜テクノステーションに納品し、共同実証を開始する予定。

 東京ガスは、水電解装置の設置およびさまざまな運転環境下でのオペレーションを実施し、最新の水電解装置の性能を把握するとともに、機器の運転や関連設備の施工などの大型水電解装置導入に向けたノウハウを蓄積する。製造した水素は東京ガス横浜テクノステーション内にて脱炭素化に向けた水素利活用の研究開発に利用する。同実証の成果については両社に共同で帰属するものとし、今後の事業開発に活用していく。

【用語解説】クリーン水素=ライフサイクルにおいてCO2を排出しないグリーン水素や、化石燃料を原料として、製造過程で発生するCO2を回収・活用したブルー水素などの総称。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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