アイフリークモバイルは調整一巡、22年3月期営業黒字化予想

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 アイフリークモバイル<3845>(JQ)は、電子絵本アプリや知育アプリなどのコンテンツ事業およびコンテンツクリエイターサービス事業を展開し、中期成長に向けてユーザー数拡大やデジタルコンテンツ資産有効活用を推進している。22年3月期は親子向けアプリのアップデート効果などで営業黒字化予想としている。収益改善を期待したい。株価はモミ合い展開だが煮詰まり感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。なお8月13日に22年3月期第1四半期決算発表を予定している。

■コンテンツ事業とコンテンツクリエイターサービス事業を展開

 携帯電話・スマートフォン向けコンテンツ企画・開発・配信のコンテンツ事業、WEBコンテンツ制作・システム受託開発および人材派遣のコンテンツクリエイターサービス事業を展開している。

 21年3月期の売上高構成比はコンテンツ事業9%、コンテンツクリエイターサービス事業91%、営業利益構成比(調整前)はコンテンツ事業59%、コンテンツクリエイターサービス事業41%だった。

 コンテンツ事業は、デジタル素材「デココレ」を主力として、電子絵本アプリや知育アプリ「あそびタッチ」などの親子向けサービス、オリジナル絵文字やグループチャットを搭載したウォレットアプリ「Challet」も展開している。

 21年6月には、絵本アプリ「森のえほん館」で配信中の絵本作品「おしたらおしまい」が書籍化(発売元:ポプラ社)された。絵本アプリ「森のえほん館」は500冊以上の作品を収録し、累計130万ダウンロードを記録している。

 デジタルコンテンツの確保にあたっては、クリエイター支援のWEBサイト「CREPOS」によって外部クリエイターを組織化している。20年9月には「CREPOS」をリニューアルした。

 20年1月にはソフトウェア開発のリアリゼーションを子会社化、ソフトウェア開発のリアルタイムメディア(20年3月にアイフリークスマイルズに吸収合併)を子会社化して同社の子会社ファンレボを孫会社化した。21年1月には孫会社ファンレボの全株式を譲渡、21年2月にはコンテンツクリエイターサービス事業の子会社アイフリークGAMESを吸収合併、21年6月には子会社のリアリゼーションを吸収合併した。

■ユーザー数拡大とデジタルコンテンツ資産の有効活用を推進

 中期成長戦略として、コンテンツ事業におけるユーザー数の拡大、デジタルコンテンツ資産の有効活用、コンテンツクリエイターサービス事業における人材確保とサポート体制充実などを推進している。またM&Aも積極活用する方針だ。

 20年9月にはミャンマーの新興通信事業者GALAXIA社と、ミャンマーにおけるモバイルコンテンツサービス分野およびシステムインテグレーション分野で業務提携した。20年10月にはRPA導入コンサルティングサービスのITSO社と業務提携、20年11月にはITエンジニア育成EdTechサービスのヒートウェーブと業務提携、20年12月にはAI CROSS社とセールスパートナー契約を締結した。

■22年3月期営業黒字化予想

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比5.4%減の29億24百万円、営業利益が1億16百万円の黒字(21年3月期は1億51百万円の赤字)、経常利益が1億64百万円の黒字(同13百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が1億14百万円の黒字(同73百万円の赤字)としている。

 成長に向けた土台作りのステージと位置付け、コンテンツ事業では絵本アプリなど親子向け教育・知育コンテンツのアップデート、利用者拡大やシナジー創出を目的とした協業先の開拓、コンテンツクリエイターサービス事業では専門領域に特化したエンジニアチームの育成、収益性と成長性の確保に向けた協業先の開拓、新規事業の推進を強化する方針だ。収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡

 なお東京証券取引所より、22年4月に移行される新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果として、スタンダード市場への上場維持基準適合を確認したため、この結果に基づいて新市場区分の選択申請に係る所定の手続きを進める。

 株価はモミ合い展開だが煮詰まり感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。7月26日の終値は154円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円52銭で算出)は約24倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS24円08銭で算出)は約6.4倍、時価総額は約27億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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