ゼリア新薬工業は22年3月期1Q大幅増益と順調

(決算速報)
 ゼリア新薬工業<4559>(東1)は8月5日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。薬価改定の影響を受けたが、20年11月に製造販売権を承継したディフィクリアも寄与して大幅増益だった。通期の大幅営業・経常増益予想も据え置いた。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価はモミ合い展開だが、好業績を評価して上放れの展開を期待したい。

■22年3月期1Q大幅増益と順調、通期大幅営業・経常増益予想据え置き

 22年3月期第1四半期の連結業績(当第1四半期から収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため、前年同期比増減率は遡及修正後の前年同期実績との比較)は、売上高が前年同期比6.4%増の135億48百万円、営業利益が18.3%増の12億51百万円、経常利益が3.3倍の20億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が44.8%増の14億08百万円だった。

 医療用医薬品事業は9.4%増収で29.2%増益だった。主力の潰瘍性大腸炎治療剤アサコールと炎症性腸疾患(IBD)治療剤エントコートは薬価改定の影響を受けたが、20年11月に欧州等での製造販売権を承継したクロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリアなどが寄与した。コンシューマーヘルスケア事業は2.0%増収で7.0%減益だった。新型コロナ影響が継続しているが、売上は回復基調としている。

 なお営業外では為替差損益が大幅に改善(前年同期は為替差損5億73百万円、今期は為替差益7億31百万円)した。特別利益では前年同期に計上した債務取崩益6億74百万円が剥落した。

 通期の連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号適用のため、前期比増減率は遡及修正後の21年3月期実績との比較)は据え置いて、売上高が21年3月期比13.7%増の600億円、営業利益が38.1%増の48億円、経常利益が49.6%増の48億円、親会社株主帰属当期純利益が5.0%増の33億円としている。配当予想は21年3月期と同額の34円(第2四半期末17円、期末17円)としている。

 医療用医薬品事業ではディフィクリアの通期寄与、アサコールの伸長、フェインジェクト静注500mgやアコファイドの伸長を見込み、コンシューマー事業は販売促進活動の強化で増収を見込んでいる。第1四半期の進捗率は売上高22.6%、営業利益26.1%、経常利益43.4%と順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価はモミ合い上放れ期待

 株価はモミ合い展開だが、好業績を評価して上放れの展開を期待したい。8月5日の終値は2038円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS72円20銭で算出)は約28倍、時価総額は約1083億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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