【特集】二次判定でプレミアム市場上場基準適合をゲットしたリベンジ6銘柄に一考余地

 東証の市場再編で一次判定から二次判定に持ち込んでリベンジ力を発揮した6銘柄、さらに一次判定で不適合とはなったが粘り腰を窺わせて目立った銘柄を含めて、個別対応も一考余地がありそうだ。

■追加資料提出で適合ゲットのリベンジ6銘柄はバリュー株の一角に名乗り

 二次判定でプレミアム市場上場基準適合をゲットしたリベンジ力発揮の6銘柄を発表順に列挙するとコネクシオ<9422>(東1)、シーアールイー<3458>(東1)、ライク<2462>(東1)、E・Jホールディングス<2153>(東1)、エル・ティー・エス<LTS、6560>(東1)、システムサポート<4396>(東1)となる。このうちライクは、流通株式数に抵触して不適合となった一次判定後、「投資信託・年金組入表等」を追加提出して再審査、8月2日に上場基準適合の二次判定を受領した。同じくE・JHDも、一次判定で流通株式数が不適合となったが、これは2020年5月末の状況によるもので、その後昨年11月に実施した公募増資、自己株式売出し、株式分割がカウントされていないとして「株券等の分布状況表」を提出して再審査し、二次判定で上場基準に適合したと8月3日にリリースした。残り5社もほぼ同じ経過を辿っている。

 E・JHDの株価は、上場基準不適合発表で127円安し基準適合の二次判定リリースで84円高のリバウンドをしてもみ合い中だが、PERは7倍台、PBR0.7倍、配当利回り3.18%とバリュー株妙味に溢れており、今年7月27日につけた年初来高値1369円奪回から上値チャレンジに拍車を掛けよう。残り5銘柄のPER評価も、LTSの39倍、システムサポートの18倍のほか、10倍~14倍と割安で、コネクシオの配当利回りは4.5%にもなるだけに、株価もリベンジ力を強めバリュー株の一角で存在感を主張しよう。

■不適合と同時に粘り腰材料を開示の6銘柄は安値水準でリターン・リバーサル

 プレミアム市場の上場基準に不適合と判定された東証1部銘柄も、必ずしも即スタンダード市場上場となるわけではない。今年9月から12月までの間に「適合計画書」を提出して認められれば経過措置としてP市場上場となるからだ。その意味で、今年7月末から8月末に掛けて不適合と一次判定を受領しながらも、同時に綱引きとなる材料も開示した銘柄の粘り腰は要注目である。ステップ<9795>(東1)は、不適合と同時に増配、GSIクレオ<8101>(東1)は中期計画の骨子、システムソフト<7527>(東1)はAPAMAN<8889>(JQS)の保有株の売却、ボルテージ<3639>(東1)は復配をそれぞれ発表しており、ステップは、7月29日につけた年初来高値1854円に再度トライするほか、残り銘柄も年初来安値水準らのリターン・リバーサル余地を窺わせる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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