エスプールは21年11月期3Q累計大幅増収増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 エスプール<2471>(東1)は10月4日の取引時間終了後に21年11月期第3四半期累計連結業績を発表した。主力事業が好調に推移して計画を上回る大幅増収増益だった。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して戻り高値圏から反落の形となったが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■21年11月期3Q累計は計画超の大幅増収増益、通期上振れの可能性

 21年11月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比18.1%増の180億31百万円となり、営業利益が23.9%増の19億32百万円、経常利益が25.0%増の19億46百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.1%増の12億67百万円だった。主力事業が好調に推移して計画を上回る大幅増収増益だった。

 ビジネスソリューション事業は31.8%増収で35.3%増益だった。障がい者雇用支援が34.8%増収と大幅伸長した。企業ニーズが高水準に推移している。ロジスティクス分野(EC通販発送代行、物流センター運営)は6.9%増収となり、粗利率の改善も進展した。採用支援サービス「OMUSUBI」は第3四半期に苦戦したが累計ベースでは14.7%増収と伸長した。

 人材ソリューション事業は13.0%増収で11.6%増益だった。販売支援は緊急事態宣言の影響で回復が遅れたが、コールセンター業務が新型コロナ関連のスポット案件も寄与して18%増収と伸長した。

 その他(新規事業)の売上高は、環境経営支援サービス(ブルードットグリーン)が2億21百万円、広域行政BPOサービスが78百万円だった。いずれも順調に立ち上がった。なお21年12月1日付でBPO事業を展開する子会社エスプールグローカルを設立する。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高54億10百万円で営業利益3億87百万円、第2四半期は売上高62億31百万円で営業利益7億97百万円、第3四半期は売上高63億90百万円で営業利益7億48百万円だった。第1四半期は障がい者雇用支援の新規4施設開園費用が先行していたが、第2四半期以降は新規施設の販売が寄与している。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年11月期比18.0%増の248億円、営業利益が12.2%増の25億円、経常利益が11.6%増の24億88百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.5%増の16億35百万円としている。配当予想は80銭増配の4円10銭(期末一括)である。

 ビジネスソリューション事業は27.2%増収で15.7%増益、人材ソリューション事業は14.8%増収で9.8%増益の計画としている。主力事業が好調に推移して2桁増収、2桁営業・経常増益予想としている。新規事業の環境経営支援サービス(ブルードットグリーン)や広域行政BPOサービスも推進する方針だ。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が72.7%、営業利益が77.3%と順調である。第4四半期に障がい者雇用支援の設備販売が集中する見込みであることを考慮すれば、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化も影響して戻り高値圏から反落の形となったが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。10月4日の終値は977円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円70銭で算出)は約47倍、時価総額は約772億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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