加賀電子は決算発表後の目先売りに押される、同じく増額修正のトヨタ、住友商も反落

銘柄

■朝の売り一巡後は移動平均の水準で下げ止まり「良性の下げ」に

 加賀電子<8154>(東1)は11月5日、急反落で始まったが、取引開始後の3000円(385円安)を下値に下げ止まり、その後は持ち直している。4日の取引終了後に第2四半期決算と業績予想・配当予想の増額修正を発表。好決算だったが、このところの株価は期待先行型で騰勢を強めており、5日朝の急反落は、決算発表を契機として利食い売りに転じる目先資金が集中したためと見られている。5日は、同じく4日に増額修正などを発表したトヨタ自動車<7203>(東1)、住友商事<8053>(東1)なども反落模様となっている。

■EMS事業など拡大し業績は上期最高益、通期も最高更新へ

 加賀電子の株価は、10月上旬から再び上昇基調を続け、5日続伸が2回、3日続伸が1回などと騰勢を強め、11月4日には一時4年ぶりの高値となる3400円まで上げた。5日は反落相場だが、下げ止まった3000円の水準は、テクニカル的には、ちょうど25日移動平均と75日移動平均が接近して走っている水準になる。移動平均が下支えになる調整は、「下げ方が悪性か良性かと言われれば良性で健全な下げといえる」(市場関係者)とされ、業績が好調な銘柄は、こうした調整を経て再び上げ相場を形成することが少なくないという。

 業績は拡大傾向を続けており、2019年の加賀EFI(旧・富士通エレクトロニクス)のグループインなどによりEMS(受託製造)事業の拡大が目立ち、この第2四半期連結決算(2021年4~9月・累計)は、電子部品事業の拡大も加わり、売上高が前年同期比11.3%増の4700億円、営業利益が30.8%増の150億円となった。そして通期利益・配当予想を増額修正した。
 
 11月4日の終値3385円は今期予想連結PER(会社予想の連結EPS336円84銭で算出)が約10倍で割安感が強い。第2四半期決算では、売上総利益率の改善や経費の縮減・抑制も寄与しており、下期業績への期待が再び盛り上がる場面に向けて引き続き注目しておきたい銘柄と言える。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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