アールシーコアは原材料価格高騰で22年3月期利益予想を下方修正

(決算速報)
 アールシーコア<7837>(JQ)は11月12日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。受注増加や業務効率改善などで赤字縮小したが、原材料価格高騰の影響で通期の利益・配当予想を下方修正した。ただし黒字転換(21年3月期は赤字)を維持する見込みだ。受注棟数はコロナ禍以前の水準に回復しているため23年3月期の収益拡大を期待したい。新市場区分に関してはスタンダード市場選択を発表した。株価は目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが下値限定的だろう。

■22年3月期2Q累計赤字縮小、通期利益・配当を下方修正だが黒字維持

 22年3月期第2四半期累計の連結業績(収益認識基準適用)は、売上高が前年同期比7.9%増の82億23百万円、営業利益が64百万円の赤字(前年同期は3億79百万円の赤字)、経常利益が81百万円の赤字(同3億92百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が21百万円の赤字(同3億31百万円の赤字)だった。なお収益認識基準適用で売上高が9百万円増加、利益が2百万円増加したが影響軽微だった。

 営業システム改善効果で受注が増加(全社ベース受注金額は前年同期比13.6%増の84億54百万円、期末受注残高は132億80百万円)し、BESSパートナーズ(BP社)における業務効率改善効果も寄与して赤字縮小した。全国のLOGWAY(展示場)への来場者数は前年同期比で4%減だったが、受注棟数は前年同期比で21%増、一昨年同期比で2%増となり、コロナ禍以前の水準に回復した。

 セグメント別(調整前)に見ると、直販部門は期首受注残高の順調な売上進捗により、売上高が15.1%増の27億10百万円で営業利益が44.5%増の3億08百万円だった。受注金額は8.2%増の24億36百万円だった。

 販社部門は売上高が3.4%減の36億05百万円だが、前期の貸倒引当金計上の反動増で営業利益が3.4倍の2億34百万円だった。受注金額は4.0%増の21億49百万円だった。

 BP社は事業効率性の高い経営への体質改善により、売上高が23.1%増の32億19百万円となり、営業利益は1億20百万円(前年同期は30百万円の赤字)と黒字転換した。受注金額は23.8%増の38億68百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が38億48百万円で営業利益が89百万円の赤字、第2四半期は売上高が43億75百万円で営業利益が25百万円の黒字だった。

 通期は利益・配当予想を下方修正した。受注が順調なため売上高は従来予想を据え置いたが、利益は木材を中心とする原材料価格高騰の影響を受ける見込みとなり、従来予想に対して営業利益を2億20百万円、経常利益を2億35百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億70百万円、それぞれ下方修正した。

 修正後の通期連結業績予想は、売上高が21年3月期比4.5%増の165億円、営業利益が80百万円(21年3月期は2億52百万円の赤字)、経常利益が30百万円(同3億57百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が30百万円(同5億34百万円の赤字)とした。

 配当予想は期末10円下方修正して25円(第2四半期末15円、期末10円)とした。21年3月期比では5円増配となる。なお配当予想を従来予想から大幅に下方修正したため、内規に基づいて当期の役員賞与は不支給とする。

 原材料価格高騰の影響で通期利益予想を下方修正したが、黒字転換(21年3月期は赤字)を維持する見込みだ。受注棟数はコロナ禍以前の水準に回復しているため、23年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価はモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げている。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが下値限定的だろう。11月12日の終値は843円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円15銭で算出)は約118倍、時価総額は約38億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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