【株式市場特集】AI関連株は活躍の舞台が整い先取り余地

 今週の当特集は、ややマニヤックな視点からとなるがAI関連株に注目することとした。師走相場が押し詰まる12月中盤のIPO(新規株式公開)ラッシュのなか、20日にAIによりアルゴリズムモジュールを開発するJDSC<4418>(東マ)、23日には資金吸収額が300億円超(想定価格ベース)と大型案件となるAIプラットフォーム事業を展開するエクサウィザーズ<4259>(東マ)などが、東証マザーズ市場に各IPOされる予定で、AI関連株活躍の舞台も整い先取り余地が出てきそうなのである。もちろん当特集の持ち前のアナログ・リアル系でも有望株は潜在しており、大谷翔平選手のMVP獲得でアシックス<7936>(東1)などの野球関連株が大幅高してことにならって「藤井四冠」関連の将棋の各タイトル戦の冠スポンサー株にプラスアルファ(α)の意外高を期待したい。

■業績好調組は買い乗せの順張り、不調組は逆張り・突っ込み対応の二刀流

 将棋関連のAI株といえば、開発のパイオニアでスマホアプリ「将棋ウォーズ」を展開しているHEROZ<4382>(東1)がまず上げられる。ただ同社は、今9月期業績が、エンタメ部門のゲーム終了が尾を引いて続落し、さらにゼネコン各社の業績下方修正も響いて前週末19日に年初来安値まで売られた。このほか業績を下方修正するなど不調なAI関連株は、音声認識のフュートレック<2468>(東2)、アドバンスト・メディア<3773>(東マ)、エーアイ<4388>(東マ)、画像処理・解析のモルフォ<3653>(東マ)、ニューラルポケット<4056>(東マ)、ドローンのオプティム<3694>(東1)、手書き文書認識のAI inside<4488>(東マ)、レジ無し店舗開発のサインポスト<3996>(東1)、さらに海外ファイナンス発表で前週末19日に株価が急落したロボアドバイザーのウェルスナビ<7342>(東マ)などで、これは逆張り、突っ込み買いなどの対応が求められる。

 これに対して業績を上方修正するなど好調組は、リーガルテックのFRONTEO<2158>(東マ)、3D画像処理のディジタルメディアプロフェショナル<3652>(東マ)、データ解析のブレインパッド<3655>(東1)、ビッグデータ解析のALBERT<3906>(東マ)、機械学習ソフトのPKSHA Technology<3993>(東マ)、メッセージサービスのAI CROSS<4476>(東マ)などと続き、さらに前週末19日にサプライズ材料出現でそれぞれストップ高したDX(デジタルトランスフォーメーション)支援のヘッドウォータース<4011>(東マ)、コアコンセプト・テクノロジー<4371>(東マ)、人工知覚のKudan<4425>(東マ)の3銘柄も含まれ、これは買い乗せの順張り対応となる。

■冠スポンサー株は「藤井四冠」人気に乗ってIR効果が絶大

 次にアナログ・リアル系の注目銘柄は、藤井四冠にあやかり将棋のタイトル戦の主催者、冠スポンサーとなっている銘柄である。ヒューリック<3003>(東1)は、将棋の八大タイトルの一つの棋聖戦に特別協賛し、同タイトル戦のライブ中継のたびに「ヒューリック杯棋聖戦」の看板が画面に登場する。同社の西浦三郎会長は、藤井四冠が同タイトルを奪取した影響で個人株主が一気に1万5000人も増加したことを日本経済新聞の連載コラムで記し、IR(投資家広報)効果が高いことを明らかにした。「お~いお茶王位戦」の伊藤園<2593>(東1)、叡王戦の不二家<2211>、「ALSOK杯王将戦」の綜合警備保障<ALSOK、2331>(東1)などが冠スポンサーとなっており、株価への波及効果が期待される。またタイトル戦ではないが、「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」を主催するJT<日本たばこ産業、2914>(東1)は、今12月期期末の配当権利取りが焦点となる。このほかabemaテレビで将棋のライブ中継をするKADOKAWA<9468>(東1)や「囲碁・将棋チャンネル」を配信するスカパーJSATホールディングス<9412>(東1)にも関連人気が及ぶことが想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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