【どう見るこの株】ALiNKインターネットは売られ過ぎ感、23年2月期収益拡大期待

 ALiNKインターネット<7077>(東マ)は、天気予報専門サイト「tenki.jp」運営を主力としている。22年2月期は先行投資などを考慮して減益予想としているが、上振れ余地がありそうだ。さらに、異常気象発生などで気象・防災への関心が高まっており、23年2月期は課金ビジネスへの展開なども寄与して収益拡大基調を期待したい。株価は上場来安値を更新する軟調展開だが売られ過ぎ感を強めている。22年2月期減益予想の織り込みが完了して出直りを期待したい。

■天気予報専門サイト「tenki.jp」運営

 天気予報・防災情報・季節情報などを配信する天気予報専門メディアとして、天気予報専門サイト「tenki.jp」運営(気象データを提供する日本気象協会と共同運営)を主力としている。少数・精鋭のプロフェッショナル集団で、天候変化に順応した運営を行っていることが特徴だ。

 収益の柱は広告収入(運用型広告が9割以上)で、季節要因として台風等の災害が多く発生する第2四半期(6月~8月)および第3四半期(9月~11月)に売上が増加する傾向がある。21年2月期のPV数は約47億PV、21年8月末時点のtwitterアカウントは約285万フォロワーだった。

 新規事業として課金ビジネスの拡大を推進している。有料専門アプリの「tenki.jpキャンプ場の天気」や「tenki.jp登山天気」などを展開し、有料会員サービスとして「tenki.jp」広告非表示機能サービスの提供も開始した。

■22年2月期減益予想だが上振れ余地、23年2月期収益拡大基調期待

 22年2月期の業績(非連結)予想は10月15日に公表して、売上高が21年2月期比1.5%増の6億20百万円、営業利益が23.9%減の1億70百万円、経常利益が25.6%減の1億60百万円、当期純利益が42.0%減の1億10百万円としている。

 売上面では、WEBアクセス数が成長基調だが、コロナ禍に伴う広告出稿需要に対する不透明感やプライバシー観点によるCookie規制の影響などを考慮して、広告単価の復調に時間を要することを想定している。利益面では、エンジニアを中心とした人材投資など、先行投資を考慮して減益予想としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比7.4%増の3億42百万円、営業利益が5.5%減の1億27百万円、経常利益が5.4%減の1億23百万円、四半期純利益が36.6%減の82百万円だった。

 売上面は、広告単価の低迷をPV数の大幅伸長で吸収して増収だが、利益面は新規事業関連の人件費や開発費の増加で減益だった。ただし概ね計画水準だった。PV数は前年同期比31.9%増で過去最高だった。天気・季節を鑑みたサイト内回遊施策の強化、検索エンジン最適化、新規コンテンツリリースなどが寄与した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が55.2%、営業利益が74.7%、経常利益が76.9%、純利益が74.5%であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに、異常気象発生などで気象・防災への関心が高まっており、23年2月期は課金ビジネスへの展開なども寄与して収益拡大基調を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は上場来安値を更新する軟調展開だが売られ過ぎ感を強めている。22年2月期減益予想の織り込みが完了して出直りを期待したい。12月8日の終値は1107円、時価総額は約24億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る