【どう見るこの株】エスペックは中期経営計画上方修正と連続最高益で投資家の買い意欲高まる

どう見るこの株

■連続最高純益に期待して急反発し関西万博関連人気もオン

 エスペック<6859>(東証プライム)は、前日10日に142円高の2151円と急反発して引け、取引時間中には2226円高値まで買い進まれ今年4月7日に突っ込んだ年初来安値2076円から大きく底上げした。同社株が、今年5月15日に予定している3月期決算発表を先取りし、期中に上方修正された2025年3月期に続き、次期2026年3月期の純利益も、推進中の中期経営計画からは連続して過去最高更新が有望として割安・下げ過ぎ修正買いが再燃した。また4月13日に開幕の大阪・関西万国博覧会にグループ会社が、新たな養殖システム「アクアポニックス」を出展することも関連人気を高め、追撃材料視されている。

■出展の新養殖システムが万博テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」をアピール

 同社の目下集計作業中の20253月期業績は、今年3月7日に上方修正され売り上げ665億円(前期比7.0%増)、営業利益73億円(同10.8%増)、経常利益76億円(同9.8%増)、純利益58億円(同16.7%増)と見込まれ、純利益は、49億6900万円の過去最高(2024年3月期)を大幅に連続更新する。環境事業や半導体関連装置、サービス事業などが業績を押し上げ、純利益は、政策保有株の縮減による有価証券売却益が上乗せになって過去最高更新となる。続く2026年3月期業績も、昨年5月に中期経営計画の目標業績を上方修正し2026年3月期の営業利益を70億円から75億円に引き上げており、続伸が有力視される。配当についても2025年3月期に年間95円(前々期実績75円)に連続増配したが、さらに上乗せが期待できる。

 なお「アクアポニックス」は、魚の陸上養殖と養液栽培(植物工場)を組み合させた循環型の養殖システムで、魚の有機物を含む排水を植物の肥料とすることで水のリサイクル利用や化学肥料の使用量を削減するエコシステムを実現している。大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」内に展示し、共同企業体の一角を占める同社のグループ会社エイベックスミックは、「アクアポニックス」の制御システムを担当する。大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」への訴求効果は高く、エスペックの環境関連の側面をよりアピールすることになる。

■PERは8倍、PBR0.8倍となお下げ過ぎを示唆し25日線奪回から年初来高値目指す

 株価は、2025年3月期の連続過去最高純利益業績予想や中期経営計画の目標業績の上方修正を歓迎して昨年来高値3340円まで買われ、その後は、2500円台から2800円台を往来するボックス相場を続け、足元では「トランプ関税」による世界同時株安に巻き込まれて年初来安値1920円まで急落し、戻りを試しているところである。PERは、2025年3月期推定ベースで8.09倍、PBRは0.89倍となお下げ過ぎを示唆しており、まず25日移動平均線の2400円台を奪回し年初来高値2722円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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