【どう見るこの株】Hameeは急反発、22年4月期2Q累計大幅増益、通期上振れ余地

 Hamee<3134>(東1)はEC事業者支援のSaaS型プラットフォーム事業、スマホ・タブレット向けアクセサリー販売のコマース事業を主力としている。22年4月期第2四半期累計はプラットフォーム事業が牽引し、新型iPhone商戦も寄与して増収・大幅増益だった。通期も増収増益予想としている。SaaS型従量課金の売上拡大基調を勘案すれば通期予想に上振れ余地がありそうだ。株価は年初来安値更新の展開で軟調だったが、第2四半期累計業績を好感して急反発している。出直りを期待したい。

■プラットフォーム事業とコマース事業が主力

 ECサイト運営自動化支援のネクストエンジンによるEC事業者支援およびコンサルティングのプラットフォーム事業、スマホ・タブレット向けアクセサリー販売のコマース事業(卸売、EC小売)を主力に、新規事業として、ふるさと納税支援サービス、小学生向け見守りモバイル端末Hamic POCKET、エシカルネットショップのRUKAMOなども展開している。

 22年4月期第2四半期末時点のネクストエンジン契約社数は前年比742社増加の5093社で、21年4月期第2四半期のネクストエンジンを通じた取引の受注処理金額総額は前年比28.8%増の2685億円となった。22年4月期末にはネクストエンジン契約社数5500社超を目標としている。

■22年4月期2Q累計大幅増益、通期増収増益予想で上振れ余地

 22年4月期の連結業績予想(損益認識基準適用による影響は軽微)は、売上高が21年4月期比13.2%増の140億円、営業利益が3.2%増の22億50百万円、経常利益が4.6%増の22億48百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が3.6%増の16億12百万円としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比5.8%増の59億48百万円、営業利益が14.3%増の11億34百万円、経常利益が24.1%増の12億02百万円、親会社株主帰属四半期純利益が40.5%増の9億43百万円だった。なお特別利益に持分法適用子会社の一部株式売却による関係会社株式売却益1億72百万円を計上した。

 プラットフォーム事業は売上高が21.7%増の13億23百万円で営業利益(調整前)が20.4%増の5億45百万円だった。ネクストエンジン契約社数が順調に増加し、子会社のコンサルティングも伸長した。コマース事業は売上高が1.4%増の44億86百万円で営業利益が3.7%減の11億78百万円だった。第1四半期がやや低調だったため累計ベースでは小幅増収・営業減益だが、第2四半期は新型iPhone商戦が寄与して10.5%増収・14.4%営業増益と好調だった。その他(新規事業)は売上高が1億38百万円で営業損失が1億51百万円だった。前年に比べて赤字がやや縮小した。

 通期予想は据え置いた。EC市場拡大も背景としてコマース事業が好調に推移し、プラットフォーム事業ではネクストエンジン契約社数増加でSaaS型従量課金の売上が大幅に伸長する見込みとしている。セグメント別の計画はプラットフォーム事業が19.2%増収で10.1%増益、コマース事業が8.5%増収で2.1%増益、その他が112,8%増収で8.4%減益としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が42.5%、営業利益が50.4%、経常利益が53.5%、親会社株主帰属当期純利益が58.5%と概ね順調だった。SaaS型従量課金の売上拡大基調を勘案すれば通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は急反発

 株価は年初来安値更新の展開で軟調だったが、第2四半期累計業績を好感して急反発している。出直りを期待したい。12月14日の終値は1278円、時価総額は約208億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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