クリーク&リバー社の第1四半期は増収ながら販管費の増加により減益

■第2四半期業績予想に対する進捗率は50%以上で、期初計画通り

 プロフェッショナルのエージェンシー事業を展開するクリーク&リバー社<4763>(JQS)の第1四半期は増収ながら、販管費の増加により減益となった。

 第1四半期連結業績は、売上高63億69百万円(同4.6%増)、営業利益4億58百万円(同20.7%減)、経常利益4億60百万円(同21.1%減)、純利益2億45百万円(同29.8%減)と増収減益。

 第2四半期業績予想に対する進捗率は、売上高50.9%、営業利益50.9%、経常利益51.1%、純利益54.4%であることから、第1四半期の業績は期初計画通りといえる。

 第1四半期のハイライトを挙げると、人員採用に関しては積極的に採用を行ったことから、前期末より109名増の863名となった。その結果、第1四半期の販管費は2億47百万円増加した。
 作家、オンラインクリエイター、建築、ファッション、シェフ分野の新規事業を展開したことで、第1四半期の営業利益に△50百万円の影響となった。
 また、4月に広告分野でのメディア事業・人材事業を展開するプロフェッショナルメディアを連結子会社化した。第1四半期の営業利益に△17百万円の影響となった。下半期から業績に貢献する見込み。
 5月にはエコノミックスインデックスを持分法適用関連会社とした。営業利益への影響はなかった。

 同社の事業は、クリエイティブ分野(日本)、クリエイティブ分野(韓国)、医療分野、その他の事業に分かれている。

 事業別の業績は、クリエイティブ分野(日本)は売上高38億30百万円(同9.2%増)、セグメント利益2億18百万円(同10.7%減)であった。各分野において増収となったが、戦略的に人員を増加したことに加え、広告費も増加したことで減益となった。

 クリエイティブ分野(韓国)の売上高は9億67百万円(同17.8%増)、セグメント利益4百万円(同50.8%減)と2ケタ増収大幅減益となった。売上は堅調であったが、映像分野で制作を始めたことから費用が先行した。

 医療分野は売上高8億95百万円(同0.9%増)、セグメント利益2億35百万円(同13.8%減)であった。レジナビフェアの一部開催時期を変更したことで、売上高、利益に影響が出た。時期を変更したことで、利益は15百万円減少し、人員を増加したことで人件費は60百万円増加した。

 その他の事業は売上高6億76百万円(同22.8%減)、セグメント利益0百万円(前年同四半期は49百万円)であった。売上高に関してはIT分野で前期より大型案件が減少したことで、3億円の減収となった。しかし、IT以外の分野では前年同期比21.0%の増収であった。利益に関しては、IT分野で56百万円の減益となったことに加え、プロフェッショナルメディア社を新しく子会社化したことで、17百万円の減益となった。

 第1四半期は増収減益となったが、売上高に関しては、四半期ベースでは過去最高となった。利益面については、販管費が膨らんだことで、減益となったが、通期で見ると、上半期の先行投資が下半期に実り、増収増益を見込んでいる。

 16年2月期連結業績予想は、売上高250億円(前期比9.0%増)、営業利益15億円(同15.7%増)、経常利益15億円(同13.6%増)、純利益8億円(同7.5%増)と最高益更新を見込む。

 同社は、プロフェッショナルの一人一人の生涯価値を高めるためにエージェンシー事業を展開している。分野としては、TV・映画、ゲーム、Web、電子書籍、IT、医療、会計、建築、ファッション、法曹、シェフ、大学教授等多岐にわたっている。将来的には50種の分野で展開できると見込んでいる。
 これらのプロフェッショナルのエージェンシー事業を行うことがスタートであり。次の第階として、制作を請負ったり、アウトソーシングしたりするプロデュース事業をおこなう。更には、クリエイターの優れた企画、アイデアをコンテンツ化し、クリエイターに利益還元するライツマネジメント事業も行う。

 新規事業としては、作家、オンラインクリエイター、建築、ファッション、シェフ事業を展開している。第2四半期より新たに「プロフェッサー」の展開を開始する。

 既存事業の収益で、新規事業への投資を行いながら、事業の拡大を進めている。事業戦略が奏功していることから、増収増益で最高益を更新中である。

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