アルコニックスは22年3月期通期利益予想を3回目の上方修正

(決算速報)
アルコニックス<3036>(東1、新市場区分プライム)は2月9日の取引時間中に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。半導体・電子部品関連の需要が高水準に推移して大幅増収増益だった。そして通期利益予想を上方修正(3回目)した。半導体不足や物流混乱に伴う生産調整など不透明な状況だが、第3四半期までの実績と第4四半期の需要・市況見通しを考慮した。収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響を受けた1月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増益、通期利益予想を3回目の上方修正

22年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が1141億76百万円、営業利益が84億30百万円、経常利益が88億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が65億37百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額として、売上高と売上原価が1118億59百万円減少しているが、利益への影響はない。

収益認識会計基準適用のため前年同期比増減率は非記載だが、新基準へ組み替え後の前年同期売上高(734億63百万円)との比較で55.4%増収となり、営業利益は2.2倍増益、経常利益は2.1倍増益、親会社株主帰属四半期純利益は3.7倍増益だった。半導体・電子材料関連の取扱量が増加し、自動車関連の需要も好調に推移した。営業外収益では受取配当金が増加(前期は2億64百万円計上、今期は4億10百万円計上)した。特別利益では投資有価証券売却益2億74百万円を計上し、特別損失では前期計上の関係会社株式売却損7億59百万円が剥落した。

セグメント別の利益(経常利益)は、商社流通が2.7倍の48億14百万円(電子機能材が2.6倍の31億83百万円、アルミ銅が2.9倍の16億31百万円)で、製造が67.3%増の39億87百万円(装置材料が50.9倍の12億33百万円、金属加工が16.7%増の27億54)だった。

四半期別に見ると。第1四半期は売上高369億44百万円、営業利益30億46百万円、経常利益34億87百万円、第2四半期は売上高376億28百万円、営業利益は25億75百万円、経常利益25億73百万円、第3四半期は売上高396億04百万円、営業利益28億09百万円、経常利益27億45百万円だった。

通期の連結業績予想(21年8月6日に上方修正、21年11月5日に2回目の上方修正、22年2月9日に売上高を据え置いて利益を3回目の上方修正)は、売上高が1520億円、営業利益が104億円、経常利益が108億円、親会社株主帰属当期純利益が78億円としている。

前回予想に対して営業利益を17億円、経常利益を18億円、親会社株主帰属当期純利益を16億円、それぞれ上回る見込みとなった。半導体不足や物流混乱に伴う生産調整など不透明な状況だが、第3四半期までの実績と第4四半期の需要・市況見通しを考慮した。

新基準へ組み替え後の前期売上高(1056億87百万円)との比較で43.8%増収となり、営業利益は85.0%増益、経常利益は88.8%増益、親会社株主帰属当期純利益は2.7倍増益となる。配当予想(9月28日に第2四半期末3円、期末3円、合計6円上方修正)は据え置いて、21年3月期比6円増配の48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。

修正後の通期セグメント別利益(経常利益)の計画は、商社流通が2.7倍の61億円(電子機能材が2.4倍の40億円、アルミ銅が4.0倍の21億円)で、製造が34.6%増の47億円(装置材料が4.2倍の14億円、金属加工が4.4%増の33億円)としている。

修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.1%、営業利益が81.1%、経常利益が81.5%、親会社株主帰属当期純利益が83.8%となる。需要が高水準に推移して収益拡大基調を期待したい。

■株価は戻り試す

株価は地合い悪化の影響を受けた1月の直近安値圏から切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。2月9日の終値は1395円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS259円40銭で算出)は約5倍、時価総額は約432億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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