建設技術研究所は22年12月期減益予想の形だが保守的

(決算速報)
 建設技術研究所<9621>(東1、新市場区分プライム)は2月14日の取引時間終了後に21年12月期連結業績を発表した。受注が好調に推移して大幅増収増益だった。22年12月期(収益認識会計基準適用のため前期比増減率は非記載)は、21年12月期との単純比較で減益予想の形だが保守的だろう。防災・減災対策やインフラ老朽化対策など国土強靭化政策関連で事業環境が良好であり、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■21年12月期大幅増収増益、22年12月期減益予想の形だが保守的

 21年12月期の連結業績は、売上高が20年12月期比14.1%増の744億09百万円、営業利益が37.5%増の69億91百万円、経常利益が36.4%増の71億18百万円、親会社株主帰属当期純利益が22.5%増の44億71百万円だった。配当は20年12月期比15円増配の60円(期末一括)とした。

 国内、海外とも受注が好調に推移して大幅増収増益だった。グループ全体の受注高は22.2%増の844億48百万円だった。

 国内建設コンサルティング事業は受注高が15.1%増の586億60百万円、完成業務収入が9.6%増の536億96百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が19.9%増の60億32百万円だった。防災・減災、国土強靭化、維持管理をはじめとする5つの重点分野の受注が拡大した。

 海外建設コンサルティング事業は受注高が42.1%増の257億87百万円、完成業務収入が27.8%増の207億13百万円で、利益が9億51百万円(20年12月期は45百万円)だった。建設技研インターナショナルが東南アジアで大型案件を受注し、英国Waterman Groupの業績も拡大した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が127億41百万円で営業利益が4億41百万円、第2四半期は売上高が224億81百万円で営業利益が31億24百万円、第3四半期は売上高が163億80百万円で営業利益が14億38百万円、第4四半期は売上高が228億07百万円で営業利益が19億88百万円だった。

 22年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用のため前期比増減率は非記載)は、売上高が780億円、営業利益が64億円、経常利益が65億円、親会社株主帰属当期純利益が43億円としている。配当予想は21年12月期と同額の60円(期末一括)としている。

 収益認識会計基準適用前の21年12月期との単純比較で、売上高は4.8%増、営業利益は8.5%減、経常利益は8.7%減、そして親会社株主帰属当期純利益は3.8%減となり、増収減益の形だ。グループ合計の受注高は6.5%減の790億円の計画としている。

 コロナ禍の不透明感や中期成長に向けた先行投資などを考慮しているようだが保守的だろう。防災・減災対策やインフラ老朽化対策など国土強靭化政策関連で事業環境が良好であり、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。2月15日の終値は2320円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS282円89銭で算出)は約8倍、時価総額は約328億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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