KeyHolderは22年12月期予想非開示だが収益改善期待

(決算速報)
 KeyHolder<4712>(JQ、新市場区分スタンダード)は2月14日に21年12月期連結業績を発表した。コロナ禍に伴うイベント開催規模制限(動員数制限)の影響や先行投資などで減益だった。22年12月期連結業績予想はコロナ禍の影響を合理的に算定することが困難なため非開示としているが、コロナ禍の影響が徐々に和らいで収益改善を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■21年12月期減益、22年12月期予想非開示だが収益改善期待

 21年12月期連結業績(IFRS)は、売上収益20年12月期比56.9%増の167億86百万円、営業利益が53.7%減の7億43百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が64.2%減の4億61百万円だった。配当は20年12月期と同額の10円(期末一括)とした。

 従来予想に対しては売上高が7億86百万円上回ったが、営業利益が6億57百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が5億39百万円それぞれ下回った。前期比ではコロナ禍の影響がやや和らいで、総合エンターテインメント事業を中心に大幅増収だったが、コロナ禍に伴うイベント開催規模制限(動員数制限)や先行投資などの影響で減益だった。イベント開催規模制限で開催コストを補えず、映像制作事業における利益率の高い番組の減少、持分法投資利益の減少(予測に対して下振れ)なども影響した。

 総合エンターテインメント事業は、売上収益が74.0%増の100億96百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が50.2%減の11億38百万円だった。乃木坂46の通期連結(20年12月期は6ヶ月分)なども寄与して大幅増収だが、イベント動員数の制限、持分法投資利益の下振れ、原盤印税の減少などで利益は計画比約7億50百万円下振れた。

 映像制作事業は売上収益が15.1%増の44億21百万円で、利益が6.0%減の1億29百万円だった。利益率の高い番組が減少し、利益は計画比約1億20百万円下振れた。広告代理店事業は売上収益が186.7%増の18億95百万円で、利益が2億07百万円の黒字(20年12月期は88百万円の赤字)だった。新規事業が好調に推移して利益は計画比約1億20百万円上振れた。

 その他事業は売上収益が5.7%減の3億72百万円で、利益が45百万円の赤字(同41百万円の赤字)だった。不動産賃貸の賃料収入が減少して計画比約1億円下振れた。なお販管費は、コストコントロール徹底などで計画比約2億円のコストカットを行った。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益37億06百万円で営業利益6億97百万円の黒字、第2四半期は売上収益41億36百万円で営業利益1億62百万円の赤字、第3四半期は売上収益37億50百万円で営業利益37百万円の赤字、第4四半期は売上収益51億94百万円で営業利益2億45百万円の黒字だった。

 22年12月期連結業績予想については新型コロナウイルス(オミクロン株)の感染状況を鑑み、現時点でコロナ禍の影響を合理的に算定することが困難なため非開示としている。

 重点戦略として、総合エンターテインメント事業ではSKE48のグループ若返りとメディアリレーション強化、乃木坂46の10周年LIVE成功、Novelbrightの年末に向けた飛躍、新規所属タレント層の充実化など、広告代理店事業では大型広告企画案件の良好な関係継続、デジタル動画広告の展開など、映像制作事業ではドラマ制作・映画製作における企画内容や意義を見極めたうえでの対応などを推進する方針だ。コロナ禍の影響が徐々に和らいで収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月16日の終値は570円、時価総額は約108億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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