【どう見るこの株】大和コンピューター下値固め完了、22年7月期横ばい予想だが、2Q累計が計画超で通期も上振れの可能性

 大和コンピューター<3816>(JQ、新市場区分スタンダード)は独立系のSIである。ソフトウェア開発関連事業を主力として、サービスインテグレーション関連事業、その他事業も展開している。22年7月期は横ばい予想としている。ただし第2四半期累計はソフトウェア開発関連事業が牽引して計画を上回り、減益予想から一転して増益で着地した。進捗率も順調であり、通期予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く小幅レンジでモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■ソフトウェア開発関連が主力

 独立系のSI(システムインテグレータ)である。ソフトウェア開発関連事業(基幹系業務システムを中心とするソリューションサービス、ソフトウェア受託開発、コンサルティング)を主力として、サービスインテグレーション関連事業(クラウドサービス、自社プロダクト開発、運用サポート)、その他事業(システム販売、i―農業関連など)も展開している。主要取引先は、SCSK<9719>(21年7月期の売上高に占める割合34.3%)、および大塚商会<4768>(同18.0%)である。

 中期成長戦略として、ソフトウェア開発関連事業の強化、CMMI(能力成熟度モデル統合)関連ビジネスの強化、クラウドビジネス(プラチナ・フィットネス、プラチナ・スクールなど)の推進、RFIDビジネスの推進、農業(ITで結ぶi―農業など)に関する活動、人財価値の向上を掲げている。

■22年7月期横ばい予想、2Q累計が計画超で通期も上振れの可能性

 22年7月期連結業績予想(収益認識会計基準適用による利益への影響軽微)は、売上高が21年7月期比4.2%増の27億20百万円、営業利益が0.8%増の4億65百万円、経常利益が3.3%減の4億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が4.4%減の3億14百万円としている。配当予想は21年7月期と同額の17円(期末一括)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比15.4%増の14億67百万円、営業利益が6.2%増の2億78百万円、経常利益が4.5%増の2億89百万円、親会社株主帰属四半期純利益が5.8%増の1億95百万円だった。収益認識会計基準適用の影響額としては、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ6百万円増加したが、営業利益以下への影響はなかった

 計画(売上高13億50百万円、営業利益2億30百万円、経常利益2億35百万円、親会社株主帰属四半期純利益1億53百万円)を上回り、減益予想から一転して増益で着地した。主力のソフトウェア関連事業が好調に推移して牽引した。

 セグメント別(調整前)に見ると、ソフトウェア関連事業は売上高が22.6%増の11億45百万円で営業利益が17.5%増の1億90百万円、サービスインテグレーション関連事業は売上高が4.6%減の2億97百万円で営業利益が10.1%減の96百万円、その他事業は売上高が1.8%減の28百万円で営業利益が3百万円の赤字(前年同期も3百万円の赤字)だった。RFIDビジネスではLoopach(RFIDを利用した社会貢献)事業を推進した。農業関連では高糖度トマトの栽培を開始した。

 通期予想は据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は売上高が53.9%、営業利益が59.8%、経常利益が60.2%、親会社株主帰属当期純利益が62.1%と順調であり、通期予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍く小幅レンジでモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。3月25日の終値は1025円、そして時価総額は約40億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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