【どう見るこの株】東海ソフトは底打ち、22年5月期3Q累計過去最高で通期上振れの可能性

どう見るこの株

 東海ソフト<4430>(東証スタンダード、名証プレミア)は独立系のソフトウェア開発会社で、組込関連事業、製造・流通および業務システム関連事業、金融・公共関連事業を展開している。22年5月期第3四半期累計は大幅増収増益で過去最高の売上高と経常利益を達成した。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高く収益拡大基調だろう。株価は19年9月の上場来安値に接近する展開だったが、3月の安値圏から切り返して底打ちの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■独立系のソフトウェア開発会社

 名古屋に本社を置く独立系のソフトウェア開発会社で、車載関連開発や民生・産業機器関連が中心の組込関連事業、製造・流通および業務システム関連事業、金融・公共関連事業を展開している。成長戦略として、DX関連開発とDXを通じたSDGsの実現、および「行政のデジタル化」への参画による公共関連開発の拡大を推進している。

 21年5月期の売上構成比は組込関連事業が37%、製造・流通および業務システム関連事業が49%、金融・公共関連事業14%だった。主要顧客は車載関連のトヨタグループ、民生・産業機器関連の富士電機グループ、金融・公共関連の日立グループなどである。

 21年1月には製造業向けソリューションの拡大を目的として、ビジネスエンジニアリング<4828>との協業を強化した。

■22年5月期3Q累計過去最高で通期上振れの可能性

 22年5月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用のため前期比増減率は非記載だが損益への影響軽微)予想は、売上高が71億円、営業利益が5億56百万円、経常利益が5億50百万円、当期純利益が3億63百万円としている。配当予想は1円増配の16円(期末一括)としている。

 収益認識会計基準適用前の21年5月期実績と単純比較では、売上高は6.4%増収、営業利益は19.6%増益、経常利益は6.8%増益、当期純利益は9.7%減益となる。収益認識基準適用の影響額は従来基準との比較で売上高が約3億円増加、経常利益が約20百万円増加の見込みとしている。影響は軽微である。当期純利益は前期計上した特別利益(固定資産売却益90百万円)の剥落で減益予想だが、需要が高水準に推移して増収、営業・経常増益予想としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比12.2%増の54億59百万円、営業利益が40.5%増の5億01百万円、経常利益が21.8%増の4億89百万円、四半期純利益が23.9%増の3億26百万円だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来基準に比べて売上高が1億70百万円増加、売上原価が1億55百万円増加、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ14百万円増加している。

 組込関連事業の売上高は8.3%増の19億82百万円だった。民生・産業機器関連開発でコロナ禍による新製品・新技術投資計画の見直しがあったが、車載関連開発(37.5%増収)大幅伸長して牽引した。売上総利益も11.6%増益と順調だった。

 製造・流通および業務システム関連事業の売上高は10.0%増の27億02百万円だった。国内製造業・物流業を中心に事業のDX化投資が好調だった。売上総利益も21.6%増益と大幅伸長した。

 金融・公共関連事業の売上高は33.7%増の7億73百万円だった。公共関連開発がコロナ禍でも好調だった。売上総利益も13.0%増益と伸長した。

 第3四半期累計は大幅増収増益で過去最高の売上高と経常利益を達成した。そして通期予想に対する進捗率は売上高が76.9%、営業利益が90.2%、経常利益が88.9%、当期純利益が89.9%と高水準だった。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高く収益拡大基調だろう。

■株価は底打ち

 株価は19年9月の上場来安値に接近する展開だったが、3月の安値圏から切り返して底打ちの動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。4月22日の終値は955円、時価総額は約47億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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