エスプールは22年11月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期上振れ余地

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(決算速報)

エスプール<2471>(東証プライム)は、7月5日の取引時間終了後に22年11月期第2四半期累計連結業績を発表した。障がい者雇用支援サービスやコールセンター業務などの主力事業が好調に推移し、新規事業も寄与して計画を上回る大幅増益だった。通期も大幅増益予想としている。第2四半期累計が計画を上回る大幅増益だったことを勘案すれば、通期予想にも上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年11月期2Q累計は計画超の大幅増益と順調、通期上振れ余地

 22年11月期第2四半期累計の連結業績(収益認識会計基準を適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比17.4%増の136億65百万円、営業利益が32.1%増の15億65百万円、経常利益が31.0%増の15億68百万円、親会社株主帰属四半期純利益が32.1%増の10億30百万円だった。

 障がい者雇用支援サービスやコールセンター業務などの主力事業が好調に推移し、新規事業も寄与して計画(売上高135億22百万円、営業利益13億85百万円、経常利益13億73百万円、親会社株主帰属四半期純利益9億43百万円)を上回る大幅増益と順調だった。利益率の高い障がい者雇用支援サービスや新規事業が大幅伸長して売上総利益率は2.1ポイント上昇した。

 ビジネスソリューション事業は売上高が35.4%増の46億81百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が50.8%増の13億28百万円だった。障がい者雇用支援サービスの売上高は34.2%増の26億77百万円だった。設備販売、管理収入とも大幅に伸長した。農園は2施設を新設して32施設となった。企業ニーズが高水準に推移し、設備販売は計画400~450区画に対して438区画と順調だった。顧客数は459社、管理区画数は5567区画、就業者数は2783名となった。ロジスティクスアウトソーシングサービスの売上高は6.9%増の6億40百万円だった。小幅増収にとどまったが、収益管理を徹底して利益率の目標を維持した。採用支援サービスOMUSUBIの売上高は20.3%減の2億73百万円だった。コロナ禍の影響で減収だが、第2四半期は行動制限の緩和とともに飲食業の求人が回復傾向を強めている。

 なおビジネスソリューション事業に含まれる新規事業の売上高は、広域行政BPOサービスが3億68百万円、環境経営支援サービス(ブルードットグリーン)が2億91百万円だった。広域行政BPOサービスは3センターを開設し、全8拠点となった。環境経営支援サービスはコンサルティング業務が急拡大して計画を大幅に上回った。

 人材ソリューション事業は売上高が10.2%増の90億42百万円で営業利益が7.1%増の9億97百万円だった。販売支援の売上高は携帯販売業務の回復遅れで33.7%減の6億34百万円だったが、コールセンター業務の売上高がスポット案件の一部延長も寄与して18.4%増の79億59百万円と大幅伸長した。

 四半期別に見ると、第1四半期売上高が65億20百万円で営業利益が6億71百万円、第2四半期は売上高が71億45百万円で営業利益が8億94百万円だった。第2四半期は売上高、営業利益とも過去最高だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年11月期比15.7%増の287億70百万円、営業利益が19.9%増の32億円、経常利益が18.8%増の31億76百万円、親会社株主帰属当期純利益が13.4%増の21億33百万円としている。主力事業が好調に推移して、売上高は10期連続、営業利益は7期連続で過去最高更新を目指す。配当予想は21年11月期比2円増配の8円(期末一括)としている。

 ビジネスソリューション事業は売上高が25.4%増の96億50百万円で営業利益が22.2%増の25億92百万円の計画としている。売上高の内訳は、障がい者雇用支援サービスが20.1%増の55億円、ロジスティクス分野が13.1%増の14億27百万円、採用支援サービス「OMUSUBI」が4.0%増の6億41百万円、新規事業の広域行政BPOサービスが6億65百万円、環境経営支援サービスが3億84百万円としている。

 障がい者雇用支援サービスは通期ベースでの新規開設が8農園(屋外5、屋内3)で、設備販売は1250区画の計画としている。さらなる経営資源投下によって計画上振れを目指す。ロジスティクス分野では再成長に向けた事業基盤構築を推進し、小型低採算案件の整理に着手する。採用支援サービス「OMUSUBI」では業務量回復を見据えて応募受付システムを一新し、生産性向上を図る。広域行政BPOサービスと環境経営支援サービスは、来期に向けて営業強化・案件積み上げに注力する。

 人材ソリューション事業は売上高が11.6%増の192億40百万円で営業利益が11.9%増の21億37百万円の計画としている。売上高の内訳は、コールセンター業務が13.3%増の164億50百万円、販売支援が9.6%増の18億30百万円、その他が9.2%減の9億60百万円としている。コールセンター業務におけるスポット案件の一巡で第3四半期はやや苦戦の見込みとしているが、継続的成長に向けた体制整備に注力する。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が47.5%、営業利益が48.9%、経常利益が49.4%、親会社株主帰属当期純利益が48.3%だった。期初時点で下期偏重の計画(売上高は上期135億22百万円で下期152億47百万円、営業利益は上期13億85百万円で下期18億14百万円)であることを勘案すれば概ね順調な進捗である。第2四半期累計が計画を上回る大幅増益だったことを勘案すれば、通期予想にも上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。7月5日の終値は1173円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円01銭で算出)は約43倍、今期予想配当利回り(会社予想の8円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS76円94銭で算出)は約15倍、そして時価総額は約927億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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