ヒーハイストは24年3月期予想を下方修正、25年3月期回復期待

(決算速報)
 ヒーハイスト<6433>(東証スタンダード)は、2月9日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。主力の直動機器は増収だったが、全体として需要低迷が想定以上に長期化していることに加えて、設備増強に伴う減価償却費の増加、原材料価格や物流費などの高止まりにより各利益は赤字だった。そして通期予想を下方修正した。ただし四半期別に見ると営業赤字が縮小傾向であり、中長期的には直動機器の需要拡大が予想される。積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。株価は下値固め完了してモミ合いから上放れの動きを強めている。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRも支援材料であり下値限定的だろう。

■24年3月期3Q累計赤字、通期予想を下方修正

 24年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比0.4%減の17億69百万円、営業利益が99百万円の損失(前年同期は0百万円の損失)、経常利益が95百万円の損失(同9百万円の利益)、親会社株主帰属四半期純利益が69百万円の損失(同1百万円の利益)だった。

 主力の直動機器は増収だったが、全体として需要低迷が想定以上に長期化していることに加えて、設備増強に伴う減価償却費の増加、原材料価格や物流費などの高止まりにより各利益は赤字だった。部門別売上高は、直動機器が生産力強化とタイムリーな納品対応により12.2%増の12億43百万円、精密部品加工がレース用部品の減少で26.2%減の3億80百万円、ユニット製品が設備投資関連の需要回復遅れで4.1%減の1億45百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億07百万円で営業利益が64百万円の損失、第2四半期は売上高が6億19百万円で営業利益が32百万円の損失、第3四半期は売上高が6億43百万円で営業利益が3百万円の損失だった。営業赤字が縮小傾向となっている。

 通期連結業績予想は2月9日付で下方修正し、売上高が23年3月期比7.5%減の22億71百万円、営業利益が1億63百万円の損失(23年3月期は5百万円の損失)、経常利益が1億60百万円の損失(同3百万円の利益)、親会社株主帰属当期純利益が1億17百万円の損失(同2百万円の損失)としている。なお配当予想については、23年3月期と同額の1円(期末一括)を据え置いたが、従来予想の普通配当1円を上場20周年記念配当1円に変更した。

 需要低迷が想定以上に長期化しているため、前回予想に対して売上高を1億85百万円、営業利益を1億79百万円、経常利益を1億76百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億24百万円、それぞれ下方修正した。ただし四半期別に見ると営業赤字が縮小傾向であり、中長期的には直動機器の需要拡大が予想される。積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は下値固め完了してモミ合いから上放れの動きを強めている。目先的には24年3月期予想の下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRも支援材料であり下値限定的だろう。2月9日の終値は268円、今期予想配当利回り(会社予想の1円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS515円74銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約17億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る