ベステラは成長投資で23年1月期2Q累計減益だが通期予想据え置き

(決算速報)
 ベステラ<1433>(東証プライム)は9月9日に23年1月期第2四半期累計連結業績を発表した。プラント解体事業の大型工事が進捗して増収だが、先行投資で販管費が増加したため減益だった。通期予想は据え置いた。大型工事が進捗して2桁増収、成長投資の影響で小幅営業増益、前期の一過性利益の剥落で経常・最終減益予想としている。第2四半期累計の進捗率は低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益特性も勘案すれば通期会社予想の達成は可能だろう。事業環境は良好であり、収益拡大基調を期待したい。株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には第2四半期累計減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■23年1月期2Q累計は成長投資で減益だが通期予想据え置き

 23年1月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比8.5%増の25億33百万円、営業利益が53.4%減の75百万円、経常利益が47.1%減の1億44百万円、親会社株主帰属四半期純利益が69.3%減の67百万円だった。

 プラント解体事業の大型の進行基準工事が順調に進捗し、21年12月に子会社化した矢澤(アスベスト除去工事に強みを持つ環境対策工事)の連結も寄与して増収だが、一部工事において低利益率の受注があったため売上総利益が1.4%増加にとどまり、人材採用、研究開発、広告宣伝などの成長投資で販管費が27.0%増加したため、各利益は減益だった。

 プラント解体事業の完成工事高は9.3%増の24億23百万円、完成工事の業界別構成比は電力が12%、製鉄が29%、石油・石化が29%、環境が16%、ガスが3%、3Dが2%、その他が9%だった。環境関連の工事需要の高まりや矢澤のグループ化で環境分野の構成比が上昇している。受注高は26.4%増の26億91百万円、第2四半期末時点の受注残高は18億62百万円となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億81百万円で営業利益が2億18百万円、第2四半期は売上高が8億52百万円で営業利益が1億43百万円の赤字だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年1月期比12.3%増の67億円、営業利益が2.0%増の6億20百万円、経常利益が20.8%減の6億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が68.1%減の4億69百万円としている。配当予想は22年1月期比4円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 大型工事が進捗して2桁増収、成長投資(新たな環境関連工法の研究開発、クレーンレール検査ロボット開発、人材育成システムの構築、積極的なM&Aなど)の影響で小幅営業増益、前期に計上した一過性利益(持分法投資利益、特別利益)の剥落で経常・最終減益予想としている。受注は堅調に推移する見込みだ。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が37.8%、営業利益が12.1%、経常利益が21.6%、親会社株主帰属当期純利益が14.3%と低水準の形だが、第4四半期の構成比が高い収益特性も勘案すれば通期会社予想の達成は可能だろう。事業環境は良好であり、収益拡大基調を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には第2四半期累計減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。9月9日の終値は1112円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円40銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円81銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約100億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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