【注目銘柄】オカムラは決算発表を先取り今期純利益の上ぶれ修正期待を高めて急反発

 オカムラ<7994>(東証プライム)は、前日31日に42円高の1369円と3営業日ぶりに急反発して引け、10月6日につけた年初来高値1439円を意識する動きを強めた。同社株は、11月4日に今2023年3月期第2四半期(2022年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、期初に前期比減益と予想していた3月期通期純利益が、上ぶれ連続して過去最高を更新する可能性を先取りして割安修正買いが再燃した。オフィスシステム家具や冷凍冷蔵ショーケースの新工場建設を相次いで決定し、成長戦略に拍車を掛けていることもサポート材料視されている。

■売り上げ、営業利益、経常利益は過去最高で今期も有価証券売却益21億円計上

 同社の今2023年3月期業績は、売り上げ2750億円(前期比5.3%増)、営業利益173億円(同8.3%増)、経常利益183億円(同4.6%増)、純利益128億円(同14.6%減)と予想され、売り上げ、営業利益、経常利益は前期に続く過去最高更新となる。オフィス環境事業では、働き方改革に向けた新しいオフィスつくりを新型コロナウイルス感染症の感染拡大が後押ししてセンターオフィスの改装やオフィス面積適正化(ライトサイジング)の需要が好調に推移し、商環境事業でもスーパー、ドラッグストアでも、コロナ禍対策のセルフレジ、多様な決済システムの導入など改装需要が盛り上がりをみせていることが寄与する。

 ただ純利益に関しては、前期に計上した投資有価証券売却益39億2000万円が一巡するとして、前期の過去最高149億9200万円からの減益転換を見込んだ。ところが今年9月28日に投資有価証券売却益21億5400万円を今期2Q業績に計上すると発表しており、3月通期純利益の上方修正による連続過去最高更新の期待を高めている。今年8月4日に発表した今期第1四半期(2022年4月~6月期、1Q)決算は、売り上げは過去最高で着地したものの、利益は、諸資材・部品の価格高騰が響いて減益着地となっており、これとの綱引きになる可能性がある。なお中期経営計画で400億円~500億円の戦略投資枠を設定している設備投資の一貫の新工場は、115億円を投資してつくば事業所(茨城県)にオフィス機器工場を建設し、長野県須坂市には冷凍冷蔵ショーケース工場を建設するなど相次いでいる。

■PER10倍、PBR0.9倍、配当利回り3.3%の割安修正に弾み

 株価は、今期純利益の減益転換予想でつけた年初来安値1048円から下げ過ぎ修正とコロナ関連株人気で1343円までリバウンドし、今期1Q業績の減益着地で1226円と下ぶれたものの、投資有価証券売却益の発表とともに年初来高値1439円まで買い進まれ、足元では1300円台固めを続けてきた。PERは10.4倍、PBRは0.93倍、年間配当利回りは3.21%と割安であり、この割安修正に弾みをつけ年初来高値抜けから昨年9月高値1793円へのキャッチアップを強めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る