ピックルスホールディングスは23年2月期3Q累計減益だが、配当予想上方修正と自己株式取得を発表

(決算速報)
 ピックルスホールディングス<2935>(東証プライム、22年9月1日付でピックルスコーポレーションが株式移転で設立した純粋持株会社が新規上場)は、12月27日に23年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。収益認識会計基準適用の影響、巣ごもり需要の落ち着きによる反動減、インフレに伴う消費者の節約志向の影響、原材料費・光熱費・物流費の高騰の影響などで減益(ピックルスコーポレーションの前年同期業績との比較)だったが、23年2月期配当予想の上方修正および自己株式取得を発表した。株価は地合い悪化も影響してモミ合う形となったが、23年2月期減益予想は織り込み済みであり、配当予想上方修正や自己株式取得を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年2月期3Q累計減益だが配当予想を上方修正

 23年2月期第3四半期累計の連結業績(22年9月1日付で設立のため前年同期実績なし)は、売上高が312億06百万円、営業利益が14億07百万円、経常利益が14億90百万円、親会社株主帰属四半期純利益が9億78百万円だった。

 ピックルスコーポレーションの22年3月期第3四半期累計実績との単純比較で見ると、売上高は10.6%減収、営業利益は47.6%減益、経常利益は46.4%減益、親会社株主帰属四半期純利益は48.9%減益となる。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が20億35百万円減少、売上原価が86百万円減少、販管費が19億67百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ17百万円増加している。

 売上面では「ご飯がススムキムチ」20g増量キャンペーンによる効果があったものの、収益認識会計基準適用の影響、巣ごもり需要の落ち着きによる反動減、インフレに伴う消費者の節約志向の影響などで減収となり、利益面では原料の野菜価格が安定的に推移し、生産効率向上も推進したが、減収影響に加えて、調味料や包装材などの原材料費、光熱費、物流費の高騰の影響などで減益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が105億17百万円で営業利益が6億72百万円、第2四半期は売上高が107億91百万円で営業利益が4億99百万円、第3四半期は売上高が98億98百万円で営業利益が2億36百万円だった。

 通期連結業績予想(22年9月27日付で下方修正)は据え置いて売上高が400億円、営業利益が18億円、経常利益が19億10百万円、親会社株主帰属当期純利益が12億70百万円としている。ピックルスコーポレーションの22年3月期実績との単純比較で見ると、売上高は11.1%減収、営業利益は38.8%減益、経常利益は37.7%減益、親会社株主帰属当期純利益は40.3%減益となる。23年2月期は実質減収減益予想だが、24年2月期の収益回復を期待したい。

 なお配当予想については、22年12月27日付で期末2円上方修正(持株会社移行記念配当2円実施)し、ピックルスコーポレーションの22年2月期実績との比較では2円増配の22円(期末一括、普通配当20円+記念配当2円)とした。予想配当性向は22.3%となる。

■株価は上値試す

 22年12月27日に自己株式取得を発表した。上限45万株・5億円で、取得期間は22年12月28日~23年11月30日としている。また株主優待制度(23年2月28日時点で100株以上保有株主対象)の優待内容も発表した。グループの商品詰め合わせセット(1500円相当)または寄付のなかから1つを選択する。

 株価は地合い悪化も影響してモミ合う形となったが、23年2月期減益予想は織り込み済みであり、配当予想上方修正や自己株式取得を評価して上値を試す展開を期待したい。12月27日の終値は1068円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS98円77銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の22円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(ピックルスコーポレーションの前期実績連結BPS1288円57銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約137億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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