【銘柄診断】エーアイは業績下方修正・無配を織り込み四半期ベースの業績回復を見直しへ

銘柄診断

 エーアイ<4388>(東証グロース)は、昨年来安値579円水準からの底離れを窺っている。同社の今2023年3月期業績は、昨年10月18日に下方修正され大幅減益が見込まれ配当も無配とし、今年1月31日に開示した今期第3四半期(2022年4月~12月期、3Q)業績も赤字転落して着地したが、3カ月ベースの3Q業績は黒字転換したことを見直し悪材料織り込み済みとして底値買いが再燃した。テクニカル的にも昨年来安値と今年2月7日の直近安値585円とでダブルボトムを形成し下値は固いとして評価されている。

■3Qはなお赤字着地も3カ月実績では黒字転換し最悪期脱出

 同社の今3月期業績は、昨年10月に下方修正され売り上げ6億5000万円(前期比14.1%減)、営業利益1000万円(同91.1%減)、経常利益1000万円(同90.5%減)、純利益800万円(同90.4%減)と大幅減収減益転換が見込まれている。音声合成AITalkで2021年3月期に集中した防災案件の反動減が続き、防災機器メーカの生産も半導体不足で低調に推移し、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な感染バック発)で好調だった企業のテレワークやeラーニング教材向けの需要も一巡したことなどが響いている。配当は、期初予想の4円から無配(前期実績3.5円)へ配当異動する。

 今期3Q業績も、売り上げ4億5900万円(前年同期比17.1%減)、営業利益600万円の赤字(前年同期は8800万円の黒字)、営業利益600万円の赤字(同8400万円の黒字)、純利益400万円の赤字(同6400万円の黒字)と低調に推移した。ただ赤字幅自体は、第2四半期(2022年4月~9月期、2Q)累計業績よりも縮小した。さらに3カ月ベースの3Q業績は、2Q業績に対して増収増益となって黒字転換、純利益は、2Qの900万円の赤字が1200万円の黒字となり最悪期脱出を示唆した。

■ダブルボトムから下げ過ぎ修正で急落前の900円台へチャレンジ

 株価は、期初の今期業績の続伸・連続増配予想に自己株式取得が続いて1019円高値まで買われる場面もあったが、業績の下方修正と無配転落が響いて昨年来安値579円まで大きく調整し、今期3Q決算評価で一時、634円までリバウンドしたが、585円まで再調整しダブルボトムを形成した。下げ過ぎ修正でまず急落前の900円台への底上げにチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  2. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  3. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  4. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  5. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  6. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る