【銘柄診断】スポーツフィールドは短期権利落ち埋めの再現を期待し分割権利取りも一法

銘柄診断

 スポーツフィールド<7080>(東証グロース)は、今年3月31日を基準日に株式分割を予定しており、前回の昨年6月30日を基準日に実施した株式分割では、約8カ月に分割権利落ち分を完全に埋めており、この再現を期待して突っ込み場面では分割権利取りも一法となりそうだ。ファンダメンタルズ的にも、前期業績が2回上方修正され、続く今2023年12月期業績が連続過去最高と予想されていることも、合わせて割安修正材料として評価される可能性もある。

■前回の分割権利落ちは2回の業績上方修正でストップ高を繰り返し完全に埋める

 株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げ投資しやすい環境を整えることにより同社株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることと目的にしており、1株を2株に分割する。昨年6月末の1株を2株に分割する株式分割では、権利付き最終値2770円から一時は、この落ち理論価格を下回り売られる場面もあったが、今年2月には2986円まで買い進まれ、この権利落ち分を完全に埋めた。今回も、この再現連想を強めている。

 この権利取りをフォローするのが、同社の好業績である。前2022年12月期業績は、昨年7月、10月と2回上方修正されこの再上方修正値を上ぶれて着地し、今2023年12月期業績は、売り上げ31億8600万円(前期比11.2%増)、営業利益6億8000万円(同6.8%増)、経常利益6億7700万円(同6.8%増)、純利益4億4000万円(同6.8%増)と連続の過去最高更新が見込まれている。経済活動の正常化とともに、人材不足に対応した企業の新卒採用意欲が強まる好事業環境下、新卒者向けイベント事業では、企業の出展ニーズを先取りして開催回数を増加させ、体育会系新卒者向け「スポナビ」や同好会などを含む「スポチャレ」などのスポーツ人財事業でも登録者数の拡大が続いており、人財獲得のための広告宣伝費も効率的に実施することなどが寄与する。

■PERはまだ9.8倍と割安で落ち前の昨年6月高値を意識

 株価は、前回の株式分割の権利を2770円で落としたあと、931円まで大きく調整したが、昨年7月の前期業績の1回目の上方修正でストップ高を交えて1720円まで水準を上げ、前期第2四半期の好決算でもストップ高を伴って2706円と上値を伸ばし、昨年10月の前期業績の再上方修正でも2250円とストップ高し、2回目の株式分割発表とともに2949円まで買われて約8カ月で完全に分割落ち分を埋めた。それでもPERは9.8倍と割安であり、昨年来高値奪回で弾みをつけ、前回の株式分割権利落ち前の昨年6月高値3290円が次の上値目標として意識され、値幅効果を発揮しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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