【注目銘柄】シーアールイーは業績上方修正を大型物件売却がフォローして割安修正買い再燃

 シーアールイー(CRE)<3458>(東証プライム)は、4月3日に28円高の1314円と急反発して引け、今年3月28日につけた年初来高値1296円を更新した。同社株は、今年3月15日に今2023年7月期業績を上方修正し、同23日にはこの上方修正要因となった大型物件(信託受益権)の売却を発表しており、割安修正買いが再燃した。テクニカル的にも、今年2月の年初来安値1015円からの底上げで25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、側面支援材料視されている。

■物流投資事業で期初計画を上回る価格で大型物件を売却

 同社の今7月期業績は、期初予想より売り上げを99億円引き下げたが、逆に営業利益を3億5000万円、経常利益を6億5000万円、純利益を4億円それぞれ引き上げ売り上げ519億円(前期比17.3%減)、営業利益67億円(同34.2%減)、純利益56億円(同37.7%減)と見込み、過去最高だった前期業績からの減益転換率を縮小させる。同社は、不動産管理事業と物流投資事業、アセントマネジメント事業を経営の3本柱としており、期初には前2022年7月期の物流投資事業の売り上げが前々期比49・4%増、セグメント利益が同78.8%増と大きく伸びた反動減もあり減収減益転換を予想していた。

 ところがこの物流投資事業で売却を予定していた3物件のうちロジスクエア白井、ロジスクエア枚方が、期初計画を上回る価格で今期第3四半期に売却できることになったとして業績を上方修正した。実際にロジスクエア白井は150億9100万円、ロジスクエア枚方は74億1500万円で売却契約を締結した。なおロジスクエア伊丹の売却は、来期に延期したことから今期売り上げを下方修正した。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆し昨年11月高値へキャッチアップ

 株価は、今期の減収減益転換予想業績を嫌って1256円まで下落し、自己株式取得発表とともに売られ過ぎ修正で昨年11月に1533円までリバンドし、自己株式取得終了に続く今期第1四半期の減収減益業績が再び響いて昨年来安値1089円まで再調整した。同安値固めから売られ過ぎ修正で底上げし、今期業績の上方修正とともに上値を伸ばし、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは10.7倍、PBRも1.08倍と市場平均を下回って割安であり、まず昨年11月高値1533円へのキャッチアップを目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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