【株式評論家の視点】アスカネットの日本初「ギフトネットコム」に注目、米国では10兆円市場

株式評論家の視点

アスカネット<2438>(東マ・売買単位100株)は、金額が不記載の「オンデマンド・オリジナルカード」を商品交換券として使用する「選べるギフト」に特化したECプラットホーム「ギフトネットコム」を12月1日よりスタートさせた。

サービス開始と同時にFacebookやLINEなどのSNSやメールで、選べる権利付きの「ギフトカード」を贈る方式もはじめた。このカードを利用することで「特にほしくない物」を贈ったり受け取ったりする「ギフトの違和感」が解消される。米国ではギフト市場は約10兆円を超えているが、日本の場合、ギフトカードに金額表示があるために、あまり普及していない。もちろん、金額の入っていないカタログギフトが日本では一般的だが、商品の選択肢が少なく、受取も1品に限定される。

これはショッピングモールで食品からアパレルまで様々な商品を簡単に選択できるほか、ギフト以外のゴルフなどの景品、記念品、株主優待、お中元やお歳暮、結婚式のお返しなどにも最適だ。サイト上は金額表示のない受け取り可能な商品のみがその都度表示される。

2015年4月期はこうした新サービス開始の宣伝広告の費用増加により、利益が圧縮される。売上高は49億8400万円(前期比4.6%増)、経常利益6億7600万円(同6.9%減)、当期純利益4億3400万円(同2.5%減)と微増収経常減益となる見込みだ。予想一株当たり利益は25円92銭、一株当たり純資産は223円16銭である。

この減益は先行投資によるもので、この負担が軽くなり、「ギフトネットコム」の利用者が増加してくれば、業績が様変わりによくなることも考えられる。今期の一株当たり利益で弾いたPERは97倍前後と高く、決して割安とはいえない。しかし、前述したように同社の将来性は明るい。株価はそれを先取りした動きが本格的する可能性がある。

現在、信用買い残高は136万株強と決してすくなくはない。これが上値のカベとして当面、立ちはだかっているのは事実だ。これがほぐれるには、まだ時間が必要だろう。来期以降の業績見通しがハッキリしてくると買いたい投資家が増加するものと予想される。新サービスの展開などで増益を期待していいのではないかと思う。目先は一進一退の展開となろうが、中期長期投資のスタンスで臨めば、投資家としての醍醐味を味わうことが出来よう(志木克己)

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