【材料でみる株価】ゼリア新薬はエーザイと日本におけるプロトンポンプ阻害剤のライセンス契約を締結

材料でみる株価

■株価は底値圏脱出へ

ゼリア新薬工業<4559>(東1・売買単位100株)は薬価改定という荒波を受けて、今期の業績は下方修正されたが、新薬の上市を手掛かりに成長路線復帰が見込まれる。

主力製品である「アサコール」は海外での販売強化策が実り今期9月中間期時点で90億3700万円(前年同期比14.4%増)を確保した。今期通期でも2ケタ台の売上増加が見込まれているが、さらに中国でも承認申請中であるために、さらに売上げアップが来期以降も期待される。

そして、2014年8月に同社はエーザイが開発中の新型プロトンポンプ阻害剤(胃酸の分泌を抑制する。消化性潰瘍、逆流性食道炎の治療剤として活用)「E3710」の日本における独占的開発権と共同販促権、非独占的製造権を同社に付与された。この新薬は従来の薬に比べて、作用が強力で持続時間が長時間で、実用化されると大型新薬に成長するのではないかと見られている。このほか、期待新薬として、すい臓がん治療薬「Z-360」(フェーズ2)、子宮頸がん治療薬「Z-100」(フェーズ3)なども開発は順調である。

また、日本初の西洋ハーブ・ダイレクトOTC医薬品・月経前症候群治療薬「プレフェミン」(要指導医薬品)を全国の薬局・薬店で今年9月から発売した。

ただ、当面の業績は振るわない。薬価の引き下げにより2015年3月期は売上高640億円(前期比3.2%増)、営業利益50億円(同26.4%減)、経常利益50億円(同26.5%減)、当期純利益43億円(同18.5%減)と微増収減益となる見通しだ。予想一株当たり利益は80円95銭となる。配当は通期で30円を据え置く方針である。

今期業績が減益となる見通しから、失望売りが発生して、株価はここにきて2000円前後の安値圏で推移している。2013年12月に1934円、2014年3月1969円の安値を付けたが、その後、反騰している。今回も同様なチャートパターンを描くか否かは不明だが、この1900円台の水準は安心して買える水準であることは確かなようだ。しかも悪材料出尽くし感が出てきたこともあり、時価近辺は果敢に攻めてみたい。

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