ティムコは23年11月期1Q大幅増益、通期も大幅営業・経常増益予想

(決算速報)
ティムコ<7501>(東証スタンダード)は4月12日の取引時間終了後に23年11月期第1四半期業績を発表した。アウトドア事業の好調が牽引して営業利益は黒字転換、経常利益と四半期純利益は大幅増益だった。そして通期の大幅営業・経常増益予想を据え置いた。価格改定効果も期待され、積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は急伸してモミ合いから上放れの形となった。低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■23年11月期1Q大幅増益、通期大幅営業・経常増益予想据え置き

23年11月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.4%増の7億94百万円、営業利益が10百万円の黒字(前年同期は0百万円の赤字)、経常利益が4.4倍の10百万円、四半期純利益が4.7倍の5百万円だった。

釣用品市場は気温低下などの影響で苦戦したが、アウトドア事業の好調が牽引し、全体として増収となり、営業利益は黒字転換、経常利益と四半期純利益は大幅増益だった。

フィッシング事業は売上高が5.2%減の1億82百万円で営業利益(全社費用等調整前)が31.9%減の8百万円だった。コロナ禍において密を避けられるアクティビティとしての需要が一段落したため全体として低調だった。フライ用品は他の釣種に比べて需要が安定しているため堅調だが、ルアー用品は気温低下および対象魚種の釣果低下に伴う釣行減少も影響して苦戦した。

アウトドア事業は売上高が9.3%増の6億06百万円で営業利益が40.5%増の42百万円だった。百貨店やショッピングセンターなど商業施設への客足が回復基調となり、気温低下も追い風となって防寒衣料を中心に販売が好調だった。滞留商品の値引き販売の減少も寄与した。

その他(主に不動産賃貸収入売上)は売上高が9.2%減の5百万円で営業利益が11.6%減の3百万円だった。

通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が22年11月期比6.1%増の34億90百万円、営業利益が31.8%増の1億49百万円、経常利益が26.7%増の1億51百万円、当期純利益が2.1%増の1億28百万円としている。配当予想は22年11月期と同額の12円(期末一括)としている。

重点施策として、フィッシング事業ではキャンプ地など他のアウトドア・アクテビティとの融合により釣り人口の拡大を促すとともに、動画配信やソーシャル・ネットワーキング・サービスなどインターネットを活用した販売促進活動を強化して収益力向上を図る。アウトドア事業では、自社アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の認知度向上と顧客数の増加を目指し、商品開発力の強化および顧客サービスの向上のほか、直営店舗の事業効率化や販売チャネルの見直しなどにより収益力向上を図る。さらに、フィッシング事業とアウトドア事業の相互の有機的連携を強化して、総合力の向上を推進する方針だ。

当期純利益は前期計上の繰延税金資産が一巡するため小幅増益予想だが、営業利益と経常利益は大幅増益予想としている。22年12月からフライ関連製品、ルアー関連製品、Foxfire関連製品(一部製品は23年2月から)の価格改定を実施している。価格改定効果も期待され、積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株価は上値試す

株価は急伸してモミ合いから上放れの形となった。低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。4月12日の終値は853円、今期予想PER(会社予想のEPS51円94銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の12円で算出)は約1.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS1856円56銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約28億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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