ティムコは22年11月期3Q累計黒字転換、通期上振れの可能性

(決算速報)
 ティムコ<7501>(東証スタンダード)は、10月12日の取引時間終了後に22年11月期第3四半期累計業績を発表した。2桁増収で各利益は黒字転換した。フィッシング事業では屋外アクティビティとして注目された釣り需要に一服感が見られたが、アウトドア事業において22年4月以降に行動制限が発出されたかったことなどでコロナ禍の影響が和らいだ。そして通期の2桁増収・黒字転換予想を据え置いている。第3四半期累計の各利益は通期予想を超過達成しており、通期利益予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。収益改善基調を評価して出直りを期待したい。

■22年11月期3Q累計黒字転換、通期上振れの可能性

 22年11月期第3四半期累計の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが営業利益以下への影響なし)は、売上高が前年同期比12.9%増の24億56百万円、営業利益が78百万円の黒字(前年同期は44百万円の赤字)、経常利益が85百万円の黒字(同33百万円の赤字)、そして四半期純利益が76百万円の黒字(同51百万円の赤字)だった。2桁増収で各利益は黒字転換した。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が2百万円減少、売上原価が1百万円、販管費が3百万円減少しているが、営業利益以下への影響はなかった。

 フィッシング事業は売上高が4.8%減の8億32百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が5.3%減の1億45百万円だった。屋外アクティビティとして注目された釣り需要に一服感が見られたことに加えて、ルアー用品における対象魚種の釣果低迷やコロナ禍による商品納期遅延発生も影響した。

 アウトドア事業は売上高が25.5%増の16億09百万円、利益が63百万円の黒字(同69百万円の赤字)だった。22年4月以降に行動制限が発出されたかったことなどでコロナ禍の影響が和らぎ、透湿防水素材の軽量ジャケットや防虫素材(スコーロン)を使用した商品の販売が順調に推移した。

 その他(不動産賃貸収入)は賃貸面積の縮小により、売上高が26.9%減の14百万円、利益が39.0%減の8百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億53百万円で営業利益が0百万円の赤字、第2四半期は売上高が9億36百万円で営業利益が68百万円の黒字、第3四半期は売上高が7億67百万円で営業利益が10百万円だった。

 通期予想は据え置いて、売上高が21年11月期比12.3%増の33億13百万円、営業利益が55百万円の黒字(21年11月期は26百万円の赤字)、経常利益が59百万円の黒字(同14百万円の赤字)、当期純利益が43百万円の黒字(同9百万円の赤字)としている。配当予想は21年11月期と同額の5円40銭(期末一括)としている。

 ネット通販の強化、宣伝販売促進の強化、フィッシング事業の更なる強化、直営店事業であるフォックスファイヤーストアの販売チャネル見直しや不採算店舗整理、社内業務見直しによる販管費コントロールなどによって、売上および利益の拡大を図る方針としている。

 第3四半期累計の各利益は通期予想を超過達成しているが、コロナ禍の不透明感、円安による調達コストの上昇、原材料価格の高騰などを勘案して通期利益予想を据え置いているが、保守的な印象が強く通期利益予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが下値固め完了感を強めている。収益改善基調を評価して出直りを期待したい。10月12日の終値は725円、今期予想PER(会社予想のEPS17円36銭で算出)は約42倍、今期予想配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS1809円91銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約24億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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