And Doホールディングスは23年6月期3Q累計大幅増収増益、株主優待制度再開

(決算速報)
And Doホールディングス<3457>(東証プライム)は5月12日の取引時間終了後に23年6月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅増収増益で、第3四半期累計として過去最高だった。ハウス・リースバック事業や不動産売買事業が牽引した。そして通期大幅増収増益予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率は概ね順調であり、成長強化事業が牽引して収益拡大基調だろう。なお5月8日に株主優待制度の再開を発表している。株価は株主優待制度再開や23年3月期第3四半期累計大幅増収増益を好感して急伸し、年初来高値更新の展開となった。上値を試す展開を期待したい。

■23年6月期3Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

23年6月期第3四半期累計(22年7月~23年3月)連結業績は、売上高が前年同期比23.2%増の359億39百万円、営業利益が28.4%増の24億43百万円、経常利益が35.4%増の24億72百万円、親会社株主帰属四半期純利益が33.9%増の15億95百万円だった。大幅増収増益で、第3四半期累計として過去最高だった。ハウス・リースバック事業や不動産売買事業が牽引した。

フランチャイズ事業は、売上高(調整前)が7.3%減の24億07百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が13.0%減の15億39百万円だった。累計加盟店数(レントドゥ含む)は689店舗で前年同期比2店舗減少したが、さらなる新規加盟獲得を加速させる方針としている。

ハウス・リースバック事業は、売上高が75.5%増の152億01百万円、利益が143.1%増の22億11百万円だった。充実した在庫を活かしてHLBファンドへの譲渡を実施した。契約件数は135件増加の922件、物件取得数は96件増加の853件、期末保有物件数は60件増加の745件、保有物件総額(過去分除く簿価ベース)は11億57百万円増加の108億65百万円となった。

金融事業は、売上高が32.3%減の4億12百万円で、利益が19.5%減の1億27百万円だった。不動産担保融資を戦略的に縮小(融資実行件数が19件減少の72件、融資残高が23億42百万円減少の28億78百万円)しているため減収減益だが、リバースモーゲージ保証は伸長(新規保証件数が47件増加の282件、保証残高が39億85百万円増加の119億60百万円)している。

不動産売買事業は、売上高が7.6%増の152億38百万円、利益が16.2%増の15億38百万円だった。取引件数は30件増加の445件だった。積極的な仕入により、来期に向けて在庫も十分に確保している。

不動産流通(仲介)事業は、仲介件数の減少で売上高が22.2%減の13億78百万円、利益が19.6%減の4億20百万円だった。仲介件数は622件減少して1573件だった。減収減益だが、店舗統合などによって利益率が向上した。

リフォーム事業は、売上高が1.8%減の18億57百万円、利益が35.9%増の1億53百万円だった。不動産流通(仲介)事業の店舗統合の影響で中古+リフォームの受注が減少したが、販管費抑制効果などで利益率が向上した。リフォーム契約件数は166件減少の1232件、完工件数は18件減少の1286件だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高96億12百万円、営業利益3億43百万円、経常利益2億90百万円、第2四半期は売上高158億24百万円、営業利益14億06百万円、経常利益15億63百万円、第3四半期は売上高105億03百万円、営業利益6億94百万円、経常利益6億19百万円だった。四半期業績はハウス・リースバック事業におけるファンドへの譲渡、不動産売買事業における大型物件によって変動する傾向がある。

通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年6月期比12.5%増の465億82百万円、営業利益が20.2%増の34億52百万円、経常利益が12.0%増の33億円、親会社株主帰属当期純利益が11.4%増の21億78百万円としている。配当予想は4円増配の40円(期末一括)としている。連続増配予想で、予想配当性向は35.9%となる。なお株主優待制度については22年6月期末対象をもって廃止したが、5月8日に株主優待制度の再開を発表している。

セグメント別営業利益(調整前)計画はフランチャイズ事業が10.3%増の25億38百万円、ハウス・リースバック事業が38.9%増の23億87百万円、金融事業が34.2%増の1億85百万円、不動産売買事業が5.4%減の16億円、不動産流通事業が14.7%減の6億23百万円、リフォーム事業が17.5増の2億30百万円、調整額が▲41億11百万円としている。

第3四半期累計の進捗率は売上高が77.2%、営業利益が70.8%、経常利益が74.9%、親会社株主帰属当期純利益が73.2%と概ね順調である。成長強化事業が牽引して収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は株主優待制度再開や23年3月期第3四半期累計大幅増収増益を好感して急伸し、年初来高値更新の展開となった。上値を試す展開を期待したい。5月16日の終値は1090円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS111円33銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS706円07銭で算出)は約1.5倍、そして時価総額は約213億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る