綿半ホールディングスは24年3月期増収増益・9期連続増配予想

(決算速報)
綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は5月12日の取引時間終了後に23年3月期連結業績を発表した。増収、営業・経常増益(当期純利益は負ののれん発生益剥落で減益)だった。小売事業が新規出店コストや電力料金値上げの影響を受け、貿易事業も円安影響を受けたが、建設事業における順調な工事進捗が牽引した。そして24年3月期は増収増益・9期連続増配予想としている。各事業とも概ね堅調に推移する見込みだ。なお23年4月の小売事業の月次売上高は全店が前年同月比106.0%、既存店が102.5%と順調だった。また27年3月期を最終年度とする新中期経営計画を公表し、前中期経営計画の最終年度25年5月期の計画を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏だ。決算発表に対してややネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期増収増益・9期連続増配予想、25年3月期計画を上方修正

23年3月期の連結業績は売上高が22年3月期比17.3%増の1342億99百万円、営業利益が0.1%増の24億02百万円、経常利益が4.1%増の30億57百万円、親会社株主帰属当期純利益が前期計上の負ののれん発生益1億97百万円の剥落で25.0%減の16億53百万円だった。配当は22年3月期比1円増配の22円(期末一括)とした。配当性向は26.5%となる。

増収、営業・経常増益だった。小売事業が新規出店コストや電力料金値上げの影響を受け、貿易事業も円安影響を受けたが、建設事業における順調な工事進捗が牽引した。

小売事業は売上高が1.4%増の776億11百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が58.0%減の7億62百万円だった。売上面は、22年8月にオープンした綿半スーパーセンター上田店、22年9月にオープンしたグループ初の都市型店となる権堂店も寄与して増収だが、利益面は新規出店コストや電力料金値上げの影響で減益だった。

建設事業は売上高が55.8%増の496億02百万円、利益が122.7%増の18億88百万円だった。資材価格高騰の影響を受けたが、豊富な受注残を背景に各分野の工事が順調に進捗して大幅増収増益だった。なお22年4月に長野県高森町の新工場が稼働し、鉄構工場機能の集約や自動化により、加工能力向上と効率化を推進した。

貿易事業は売上高が3.2%増の60億01百万円だが、利益が17.4%減の5億76百万円だった。円安や物流コスト上昇などの影響で減益だった。

その他(不動産事業など)は売上高が284.9%増の10億83百万円、利益が17.2%増の1億68百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億69百万円で営業利益が4億97百万円、第2四半期は売上高が333億19百万円で営業利益が6億29百万円、第3四半期は売上高が363億05百万円で営業利益が9億82百万円、第4四半期は売上高が337億06百万円で営業利益が2億94百万円だった。

24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比2.8%増の1380億円、営業利益が13.4%増の27億24百万円、経常利益が2.0%増の31億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.9%増の18億50百万円としている。配当予想は23年3月期比1円増配の23円(期末一括)としている。9期連続増配予想で、予想配当性向は24.7%となる。

セグメント別の計画は、小売事業の売上高が3.6%増の804億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.9%増の9億60百万円、建設事業の売上高が0.4%増の498億円で利益が0.1%増の18億90百万円、貿易事業の売上高が2.3%増の61億37百万円で利益が27.3%増の7億34百万円としている。各事業とも概ね堅調に推移する見込みだ。

なお23年4月の小売事業の月次売上高は全店が前年同月比106.0%、既存店が102.5%と順調だった。また27年3月期を最終年度とする新中期経営計画を公表し、前中期経営計画の最終年度25年5月期の計画を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は戻り高値圏だ。決算発表に対してややネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。5月16日の終値は1397円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS92円99銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1068円23銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約278億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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