商船三井が核融合炉開発に参入!京都フュージョニアリングへの出資を発表

■核融合炉とフュージョンエネルギーの実現に挑む

 商船三井<9104>(東証プライム)が100%出資する「MOL PLUS」は5月17日、核融合炉周辺とプラントに必要な機器・システムの研究開発を担うプラントエンジニアリング企業である京都フュージョニアリングへの出資を決定したと発表。

 京都フュージョニアリングは、安全性と十分な供給量を満たす次世代クリーンエネルギーとして期待される核融合炉とフュージョン(核融合)エネルギー(※)の実現を目指す企業・研究機関と協業し、フュージョンエネルギーの産業化に向けて事業を推進している。またフュージョンエネルギーにおける機器、部材等の国内外でのサプライチェーン網を構築に向け、様々な関係者と協業している。

 MOL PLUSは、京都フュージョニアリングの取り組みがフュージョンエネルギーソリューションの社会実装実現に大きく寄与することに期待し、今回の資金調達に参画する。今後、フュージョンエネルギーの利用過程で生ずる輸送ニーズや、海洋事業への展開において、海運業の立場から貢献していく。

 MOL PLUSは、今後もスタートアップ企業への出資や協業を通じ、スタートアップ企業が持つ斬新なアイデアやテクノロジーと商船三井グループがもつリソースに相乗効果を生ませ、『海運業と社会に新しい価値をプラスする』、新規事業の創出を目指し続けるとしている。

(※)核融合は、核分裂とは根本的に異なる技術であり、大きな圧力と高い温度において水素原子同士が結合することで、膨大なエネルギーが放出される。また、海水から燃料を取り出せるため、事実上無尽蔵の燃料が地上に存在し、温室効果ガスを排出しないことからエネルギー問題と環境問題を根本的に解決する可能性を秘めるエネルギーである。

■京都フュージョニアリング株式会社概要

・代表者=代表取締役 長尾 昂(ながお たか)
・設立=2019年
・所在地=所在地
・事業内容=核融合炉関連装置・システムの研究開発およびプラントエンジニアリング

 京都大学の長年にわたる核融合研究の成果に基づき2019年に設立された、核融合特殊プラント機器の開発に特色を持つエンジニアリング企業である。

 プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器、水素同位体ポンプを始めとした先端核融合工学分野において世界有数の技術力を有しており、英国原子力公社を始め全世界の核融合研究開発機関・企業を顧客に持つ。

 日本のものづくり力を結集し、革新的なエンジニアリングソリューションを世界に提供することで、人類に究極のクリーンエネルギーを提供し、フュージョンエネルギーという新たな世界市場の創出を目指している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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