東電とトヨタ、電動車用蓄電池で定置用蓄電池システムを開発、風力発電所で実証試験へ

■エネルギー安定供給システムの構築と蓄電池の循環型社会の実現を目指す

 東京電力ホールディングス(東電HD)<9501>(東証プライム)とトヨタ自動車<7203>(東証プライム)は5月29日、東電HDの「定置用蓄電池の運用技術・安全基準」とトヨタの「電動車用蓄電池のシステム技術」を融合した定置用蓄電池システム(出力1MW、容量3MWh)を開発したと発表。

 このシステムを、豊田通商<8015>(東証プライム)とユーラスエナジーホールディングスが、ユーラス田代平ウインドファーム(大規模風力発電所)へ導入し、秋頃より4社が連携して、実証試験(以下「本実証」)を開始する。

 蓄電池市場は、再生可能エネルギー発電や、電気自動車・ハイブリッド車などの電動車の普及、世界的なカーボンニュートラルの潮流などを踏まえ、今後も拡大していくことが見込まれる。

 そのような中、環境・経済性向上、電力市場への参加、さらにはBCP対策など増加する蓄電の需要・ニーズに、価格と量の両面から応えるめに、今後は電動車用蓄電池の活用が必要となる。

 そのため、両者は、電気自動車用蓄電池を複数台連結させ、既製のPCS(蓄電池を直流電源として接続し、電力系統や各種電気機器に交流電力を供給する設備)と組み合わせて利用できる定置用蓄電池システムを共同で開発した。同実証では、このシステムの動作・性能及び事業用途での電力市場への供出も含めた実現可能性を確認する。

 東電HDは、これまでの電気事業で培った知見や技術力を、顧客の再生可能エネルギー利用率の向上やBCPニーズへ応えつつ、電力の需給バランス維持へも活用し、エネルギーの安定供給システムを構築していく。

 トヨタは、カーボンニュートラルなモビリティ社会と、サーキュラーエコノミー(資源循環型の経済システム)の実現に向けた様々な活動の一環として、豊田自動織機、豊田通商、デンソーと連携を図り、安全・長寿命・高品質・良品廉価・高性能な電動車用蓄電池の活用に取り組んでいく。

 両者は今後、同実証の成果を評価し、需要家向けエネルギーサービスや電力需給の調整力を見据えた蓄電池システムの開発に取り組むことで、顧客の蓄電ニーズに応えとぃく。

 また、社会全体における蓄電池活用を推進することで、エネルギーの地産地消型システムの構築と電動車用蓄電池の循環型社会の実現を目指した取り組みを進めていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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