三菱地所設計と清水建設、日本一高層ビル「トーチタワー」で巨大斜め鉄骨柱の建方作業がスタート

■高さ385m超高層を支える「ダイヤグリッド架構」が進展

 三菱地所<8802>(東証プライム)傘下の三菱地所設計と清水建設<1803>(東証プライム)は9月2日、東京駅日本橋口前の大規模開発「TOKYO TORCH」街区で建設中の「Torch Tower(トーチタワー)」において、低層部を特徴づける巨大な斜め鉄骨柱の建方作業を開始したと発表した。同ビルは地上62階、高さ約385mの日本一の超々高層ビルで、オフィスや商業施設、展望台、住宅、超高級ホテル、2000席規模のホールを備える計画である。街区中央には約7000平方メートルの広場も整備される。

 今回設置された斜め鉄骨柱は、同ビルを支える「ダイヤグリッド架構」を構成する重要な要素である。三角形のフレームによって地震時の揺れを抑制する仕組みで、三菱地所設計が10年以上かけて構築した「外殻制振構造」の成果と、清水建設の施工技術を組み合わせることで実現に至った。一般的なラーメン構造に比べ、外周に斜め部材を効果的に配置することでビル全体をチューブ状に強化し、超々高層建築の合理性と耐震性を高める設計となっている。

 ダイヤグリッド架構は建物外周約400mにわたり、高さ約52mまで連続して構成され、鉄骨総重量は約1.1万トンに達する。これは建築構造体として国内最大級の規模で、タワー総重量約80万トンの4割超を支える。斜め鉄骨柱は断面1.4m×1.6m、最大板厚90mm、部材重量最大28.4トンと現代建築で可能な最大級の仕様である。北東コーナー部から建方を進め、2025年10月に第1節、2026年2月に第4節(9階床高さ)の建方終了を予定する。清水建設は精緻な施工管理と物流改革により、超々高層ビル建設の効率化と品質確保を目指す考えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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