楽天グループ、東証に「楽天証券HD」の上場を申請、独自の資金調達を含めた様々な財務戦略の検討が可能に

■23年4月に上場した楽天銀行HD以来

 楽天グループ<4755>(東証プライム)は7月4日の夕方、連結子会社の楽天証券ホールディングス株式会社(以下「楽天証券HD」)が同日付で東京証券取引所への新規上場申請を行ったと発表した。審査を経る必要があるため、上場の可否、時期などは現時点で未定。同社グループの金融関連事業会社の上場は、2023年4月21日に上場した楽天銀行<5838>(東証プライム)以来になる。

 楽天グループの株価は23年5月の新株発行を伴う大規模な資金調達の発表を境に冴えない相場が続いており、6月下旬には一時466円まで下押した。7月4日は、「株価下落止まらぬ楽天の次なる一手、MBOによる非公開化の観測」と題した記事が月刊誌『選択』(選択出版株式会社)に載っていると伝えられ、思惑買いが先行する展開になり、516.9円まで持ち直した。証券子会社の上場により追加的な資金調達が実現すれば、5月以降の状況にはある程度の援軍になるとみられている。

 楽天証券HDの株式上場に向けては、22年5月24日付の「楽天証券株式会社の株式上場準備の開始に関するお知らせ」、同年8月10日付の「楽天証券ホールディングス設立及び証券事業再編に関するお知らせ」、および22年10月3日付の「楽天証券ホールディングス、設立および証券事業の再編完了に関するお知らせ」において公表した通り、楽天証券HDの株式上場の準備を進めてきた。

 発表では、楽天証券HDは、株式上場を通じて、多様なステークホルダーを尊重しつつ、より自律的な経営視点を持った成長戦略を遂行することができるようになるとともに、独自の資金調達を含めた様々な成長及び財務戦略を検討することが可能になると考えているとした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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