【注目銘柄】トランザクションは業績再上方修正と再増配を買い手掛かりに7連騰

■過去最高更新の純利益に迫る

 トランザクション<7818>(東証プライム)は、前日4日に19円高の1945円と7営業日続伸して引け、取引時間中には1970円と買われる場面があり、前日3日取引時間中につけた年初来高値2080円に肉薄した。同社株は、今年6月30日に今2023年8月期業績の2回目の上方修正と2回目の増配を発表しており、純利益が、連続して過去最高更新の更新幅を拡大させることを好感する買い物が増勢となった。ヒストリカル的にも、2017年2月28日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)の権利落ち分を埋めており、権利落ち前の権利付き高値が意識されている。

■eコマース事業が好調に推移し自社製造比率アップもオン

 同社の今8月期通期業績は、今年4月に今期第2四半期(2Q)業績に続き今期通期業績を上方修正した。今回は、その上方修正した通期業績を再上方修正したもので、4月修正値より売り上げを7億2000万円、営業利益を3億4500万円、経常利益を4億1100万円、純利益を2億7900万円それぞれ引き上げた。このため売り上げは225億円(前期比23.2%増)、営業利益は45億円(同39.2%増)、純利益は30億5700万円(同39.2%増)と増収増益率を伸ばし、純利益は、前期の過去最高(21億9500万円)を大幅連続更新する。今期から推進している中期経営計画に従って、eコマース事業の売上高構成比率を30%以上に強化するとともに、国内自社製造比率も高める方針を進めており、eコマース事業で主力サイトの「販促STYLE」や「MARKLESS STYLE」が好調に推移していることが要因となっている。

 配当は、期初予想の年間27円(前期実績25円)を4月の1回目の業績上方修正とともに29円に引き上げ、今回はさらに32円に引き上げ連続増配幅を拡大させる。なお同社の中期経営計画では、最終年度の2025年8月期に売り上げ270億円、営業利益47億円、経常利益47億1000万円、純利益31億2000万円を目標業績とし、配当も年間35円へ連続増配することを計画している。

■2017年の株式分割の権利落ち分を埋め権利付き高値を目指す

 株価は、今期第1四半期の好決算ではストップ高するなど年初来、下値を切り上げ今年4月に1662円まで買い進まれ、今期2Q累計業績の上方修正では利益確定売りや戻り売りが交錯して1454円と下ぶれた。同安値からは、8月期通期業績の上方修正と増配には素直に反応して1834円とリバンドし、今回の業績再上方修正・再増配では年初来高値2080円まで上値を伸ばした。2017年実施の株式分割では、2077円で権利を落としており、この権利落ち分を埋めたここからは、落ち前の権利付き高値2642円(2016年11月)を目指す展開が想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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