【編集長の視点】うるるは6期ぶりの過去最高純益更新を見直し割安修正期待を高める

■新プラットフォーム「GoSTEP」が成長の牽引役に

 うるる<3979>(東証グロース)は、前日10日に51円高の1867円と急反発して引け、東証グロース市場の値上がり率ランキングの第47位にランクインする人気再燃となった。今2024年3月期業績が、大幅続伸して純利益が、6期ぶりに過去最高更新と予想されていることを見直し割安修正の買い物が再燃した。テクニカル的にも、これまで上値抵抗線となっていた75日移動平均線のブレークに挑戦し、5月17日につけた年初来高値2443円から直近安値への調整幅の3分の1戻しを達成しており、続いて半値戻し、全値戻しの期待を高めている。

■「NJSS」や「fondesk」の有料契約が好調で新プラットフォームも寄与

 同社の今2024年3月業績は、黒字転換して着地した前期業績に続き売り上げ60億円(前年同期比23.4%増)、EBITDA15億円(前期は1億500万円の黒字)、営業利益13億円(同800万円の黒字)、経常利益12億8000万円(同500万円の黒字)、純利益8億円(同4500万円の赤字)と高変変化が予想され、純利益は、2018年3月期の過去最高(2億8700万円)を大幅に更新する。前期まで入札情報速報サービス「NJSS」のWeb広告や電話代行サービス「fondesk」のTVCMなどの積極的な成長投資により前期末の「NJSS」の有料契約件数が前々期比21.6%増の5722件、「fondesk」の有料契約件数も同22.3%増の4054件と伸びており、昨年12月には子会社化した同業の入札情報検索サービス展開のブレインフィード(千葉県松戸市)子会社化のフル寄与や、今年3月から官公庁ビジネスの上流工程を支援するデータプラットフォーム「GoSTEP」の提供を開始したことなども業績を押し上げる。

 とくに「GoSTEP」は、公共機関の入札マーケットが約22兆円と国家予算の約20%を占め、業務の効率化のために政府(Government)と技術(Technology)を融合させる「GovTech(ガブテック)」のニーズが高まっており、同社の今後の成長戦略をサポートする大きな柱になるとみられている。

■PERは16倍とG市場平均を相対的に下回り半値戻しから全値戻しにトライ

 株価は、年初来安値1328円から前期第3四半期の黒字転換業績を手掛かりに2215円高値まで66%高し、その後の2000円台固めから今期業績の大幅増益業績を評価してマドを開けて急伸し、年初来高値2443円まで買い進まれた。同高値後は、東証グロース市場の全般調整にツレ安して1568円まで下げ、売られ過ぎとして年初来高値からの調整幅の3分の1戻し水準までリバンドした。PERは、16.1倍と東証グロース(G)市場全銘柄平均の70.4倍に比べて相対的に出遅れており、半値戻しの2000円大台奪回から相場格言取りに全値戻しの年初来高値2443円にトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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