【編集長の視点】プレミアグループは続落も合弁会社の事業開始で連続最高業績を見直して押し目買い妙

 プレミアグループ<7199>(東2)は、前日3日に40円安の3490円と続落して引けた。同社株は、今年6月15日に上場来高値3835円まで買い進まれており、日経平均株価が、前日に米中の貿易摩擦激化懸念で約3カ月ぶりの安値に下落したことから同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ、取引時間中には90円高する場面もあり、今年6月29日にユーキャスサービス(北海道旭川市)と設立した合弁会社・プレミアシステムサービスが、7月2日に事業を開始したことを手掛かりに、今2019年3月期業績の連続過去最高更新を見直し、下値に割安修正を期待する押し目買いも続いている。今期配当を前期と同様に85円の高配当を予定し、配当利回りが、東証第2部市場平均を上回ることも、フォローの材料視されている。

■合弁会社設立で外部発注業務を内製化して開発スピードを向上させIT力も強化

 同社は、全国約1万6000社の中古車小売業者を対象に中古車向けの自動車ローンを提供するクレジット事業と、自然故障による修理費用を保証するワランティ事業を展開しており、ユーキャスサービスは、プレミアグループのクレジット基幹システムを開発したシステム会社で、現在もシステムの開発・維持管理業務で協力関係にある。合弁会社の設立は、両社の協力関係の維持・発展に加え、プレミアグループが外部に発注していた業務を内製化し、開発スピードの向上、運用コストを低減することを目的としており、IT技術者の不足を見据えてIT力を強化する成長戦略でもある。資本金2000万円のうちプレミアグループが67%を出資して6月29日に設立、7月2日に事業を開始した。

 一方、プレミアグループの業績も好調持続である。今2019年3月期業績は、営業収益106億3900万円(前期比17.4%増)、税引前利益19億4200万円(同1.9%減)、純利益13億4100万円(同3.7%増)と予想、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。クレジット事業では、営業人員の増員や営業スキルの向上の効果が続き、ワランティ事業では、自社ブランド商品の「Prime Warranty」の伸びや中古車小売大手との提携拡大などが寄与、さらに海外事業で新事業のタイでの自動車整備事業、インドネシアでのワランティ事業がスタートしたことも押し上げ要因となる。なお今期配当は、前期に実施した上場記念配当42.5円を含めた年間配当85円を普通配当として継続し、このうち中間配当を42.5円と予定している。

■直近割安IPO株人気再燃を高配当利回りが支援して「小さく産んで大きく育てる」好展開

 株価は、昨2017年12月に新規株式公開(IPO)され、初値は公開価格の2320円を下回る2220円でつけたが、評価不足として即底上げ、3000円台にタッチしていったん2271円まで調整したが、前2018年3月期配当を85円と発表したことで2934円高値まで買い戻され、IPO株投資のセオリー通りに「小さく産んで大きく育てる」展開となった。この配当権利落ち後安値2635円からは再び底上げ、今2019年3月期業績の連続過去最高更新予想で3380円へ上ぶれ、さらに合弁会社プレミアシステムサービス設立で上場来高値3835円へ急伸した。最高値後は3320円まで下押し、25日移動平均線水準でスピード調整中である。PERは15倍台と直近IPO株として相対的に割安で、配当利回りも2.43%と東証第2部平均の1.61%より割り負けており、最高値抜けから上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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